ルイス・ハミルトンが、2026年F1レギュレーションの象徴となる「アクティブ・エアロダイナミクス」を実走で初めて披露した。舞台はフェラーリのフィオラノ・サーキット。フェラーリの2026年F1マシンSF-26のシェイクダウン走行で、新世代マシンの可動式ウイングが作動する様子が初めて映像に収められた。この日、ハミルトンは最初の走行を担当し、その後シャルル・ルクレールにステアリングを引き継いだ。
アウディ、キャデラック、レーシングブルズ、メルセデス、アルピーヌといった他チームの2026年型マシンのシェイクダウンでは、これまでアクティブ・エアロの動作が確認できる映像は公開されておらず、フェラーリが最初にその挙動を明確に示した形となった。2026年から導入されるアクティブ・エアロでは、リアウイングは従来のDRSと同様にスロットギャップが開く構造を採用。一方でフロントウイングは、作動時にダウンフォースを生み出すウイング要素そのものが下がる仕組みとなっており、直線区間で大幅な空気抵抗低減を狙っている。前後ウイングの可動化は、DRSに代わるシステムとして位置づけられ、ストレートでは常時使用が可能とされている。 この投稿をInstagramで見る FORMULA 1®(@f1)がシェアした投稿この新システムについて、フェラーリのシャシー・テクニカルディレクターであるロイック・セラは、その技術的な難しさを次のように説明している。「これまでと大きく違うのはハードウェア面だ。高速域で動作する部品を成立させる必要があり、信頼性とパフォーマンスの両方で目標を満たさなければならない。そこが技術的な課題になる」セラはまた、アクティブ・エアロが正しく機能すれば、マシン全体の効率を大きく高められると強調する。「ラップタイムに重要な場面ではダウンフォースを確保し、直線ではドラッグを削減する。グリップに制約される区間ではダウンフォースに集中し、そうでない区間では空気抵抗を最大限減らすことになる」さらにセラは、開発の中心にシミュレーションがあることも明かした。前年型マシンという基準が存在しないため、仮想環境での作業が不可欠だという。「頼れる前年型マシンがないため、シミュレーションが開発の中核になる。ファクトリーではまず純粋な性能を積み上げ、その性能をドライバーが最大限使える形にする。その過程でドライバーの役割は非常に重要になる。人とマシンの相互作用が鍵であり、レギュレーションが完全に新しい今回、その重要性はこれまで以上に高い」ルイス・ハミルトンによるフィオラノでの初走行は、2026年F1マシンが目指す方向性を視覚的に示す最初の瞬間となった。アクティブ・エアロという新時代の中核技術が、今後のテストやシーズン開幕後にどのような差を生むのか。フェラーリSF-26は、その行方を占う存在として注目を集めている。