フェラーリF1に新たな不安材料が浮上した。シャルル・ルクレールの契約に、2026年末で“無条件離脱”が可能になる条項が存在すると報じられ、チームを揺るがしている。今季は未勝利のまま低迷が続き、エースドライバーの将来にまで不確実性が広がり始めた。マラネロ内部では、この条項が現実のものとなれば二人のトップドライバー体制が崩壊しかねないとの危機感が高まっている。
新レギュレーション初年度となる2026年の出来が、フェラーリの未来だけでなく、ルクレール自身の進路をも大きく左右することになりそうだ。“無条件離脱条項”が契約から浮上 フェラーリF1は否定できずイタリアのメディアは、ルクレールとルイス・ハミルトンがフェラーリF1と結んでいる契約に、2026年末で自由にチームを去ることができる条項が含まれている可能性を伝えている。条件は、フェラーリが新レギュレーション初年度に“タイトル争いが可能なマシン”を設計できなかった場合だとされ、実現すれば両ドライバーはペナルティなしで離脱できる。フェラーリは条項の存在について公式には口を閉ざしているが、内部では強い警戒感が漂う。特にルクレールに関しては、2026年にタイトルを獲得した場合でも離脱できるとされる文面が指摘され、チームにとって不確定要素が一段と大きくなっている。成績不振が深刻化 ブラジルでダブルリタイアフェラーリは今季、トップ4チームの中で唯一勝利を挙げておらず、タイトル争いどころかコンストラクターズ順位は4位へと後退した。ブラジルGPでは、ルクレールがオスカー・ピアストリとアンドレア・キミ・アントネッリの接触に巻き込まれてリタイアし、ハミルトンもフランコ・コラピントとの接触でレースを終えている。今季の結果が示すのは、精彩を欠くマシン開発と流れを断ち切れないチーム事情だ。ジョン・エルカーン会長もミラノのイベントで「もっと運転に集中し、話す量を減らすべきだ」と選手に注文をつけるなど、組織全体が焦燥感に包まれている。ルクレールの周辺はすでに2027年市場へ動き出すルクレールを巡る移籍市場はすでに静かに熱を帯び始めている。アストンマーティンは2027年に向けてルクレールの獲得を検討していると伝えられ、フェルナンド・アロンソやランス・ストロールの後任候補として名前が挙がる。加えて、ルクレールのマネージャーがレッドブルにコンタクトを取ったとの情報もあり、マックス・フェルスタッペンの将来やチーム体制の変化を見据えた動きが水面下で進んでいる。マクラーレンのオスカー・ピアストリとの“シート交換案”まで噂されるなど、選択肢は加速度的に広がっている。フェラーリF1が恐れる“2026年末のW流出”フェラーリが最も恐れるのは、2026年の開発に失敗した場合、ルクレールとハミルトンの両方が同時に離脱するシナリオだ。これはチーム体制の崩壊だけでなく、開発の連続性や将来の戦力構築に深刻な影響を及ぼす。2026年は新パワーユニットとアクティブエアロが採用される大転換期であり、成否がチームの未来を決定づける。競争力を失えば、ライバルたちが得る学習効果との差は一気に広がり、2027年以降の巻き返しはきわめて困難になる。フェラーリにとって、ルクレールの“無条件離脱条項”は単なる契約上のリスクではない。2026年の挑戦そのものが、二人のエースドライバー体制の維持とチームの将来を左右する重大な分岐点となっている。Source: F1 OVERSTEER
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