フェラーリF1代表のフレデリック・バスールを巡る噂と暗雲が広がるなか、そのバスールは、かつての同僚ロバート・クビサがル・マンで挙げた成功を称賛した。クリスチャン・ホーナーの名前も挙がってはいるが、2026年以降にバスールの後任となる可能性のある有力候補として注目されているのは、現在フェラーリのWEC(世界耐久選手権)プログラムを率いているアントネッロ・コレッタだ。
「バスールが議論の対象になるのは当然のことだ」と『La Gazzetta dello Sport』のルイージ・ペルナは主張する。「ル・マンでのフェラーリの奇跡を成し遂げた男、コレッタの名前が後任候補として取り沙汰されているが、これは驚くべきことではない。エルカン(ジョン・エルカン)の彼に対する信頼は極めて高く、バスールは契約が満了に近づくなかで、チームの成長不足といくつかの疑わしい内部判断の責任を問われている」2011年のラリー中の事故で腕に深刻な怪我を負ったクビサは、週末にフェラーリのハイパーカーを駆って伝説の24時間耐久レースで優勝を果たした。バスールは、40歳のポーランド人ドライバーを称賛した。「私はロバートと親しい関係にある」とバスールは語った。「彼は私と一緒にアルファロメオに2年間いて、それ以前にはフォーミュラ・ルノーでも一緒だった。彼が成し遂げたことは本当に驚異的だ」「(キミ・)ライコネンがコロナに感染したときのことを覚えている。ロバートは土曜日の朝にザントフォールトで突然車に乗ることになり、狭いピットレーンではステアリングを回すことすらままならず、クラッチ操作も困難だった。その年、彼はその車を一度も走らせていなかったのに、レースでは(セバスチャン・)ベッテルと最後のコーナーまで戦った」「本当に信じられなかった。彼のキャリアは波乱万丈だったが、そこに注ぎ込まれた決意を思い返すと、彼が今回成し遂げた結果に心から満足している」フェラーリのWEC部門を率いるアントネッロ・コレッタ(写真左)そして、フェラーリF1チームの自身の将来を巡る憶測が渦巻く中で、バスールはWEC部門が成功している理由についての考察を示した。「ル・マンのチームにとっての強みのひとつは安定性だと思う」と語る。「この一貫性、そしてチームを率いる者たちの経験が鍵だ。この安定性は非常に良いことだ」一方、F1チームの混乱については、ルイス・ハミルトンがカナダGPを終えた後、あえて沈黙を守っていると認めた。「君たちに話したいことはいくつかあるけれど、それは言えない」と7度の世界王者は語った。「舞台裏ではたくさんのことが起きている」「私の目標は、それらの変化をポジティブな方向へと導いて、長期的な成功につなげることだ」
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