フェラーリF1代表が認識するレッドブルと比較した『ゲームキラー』

3位入賞が期待されていた開幕戦バーレーンGPでシャルル・ルクレールがパワーユニットの問題でリタイアしたことで、その傾向はさらに強くなった。しかし、バスールにとってもうひとつの悩みは、バーレーン・インターナショナル・サーキットでのSF-23のタイヤのデグラデーションだった。このサーキットのアスファルトはもともと摩耗が激しいため、フェラーリはソフトタイヤでの1スティントに対し、ハードタイヤでの2スティントを強いられた。しかし、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは、ソフトを2セット、ハードを1セット使用する作戦で、快適なワンツーを実現した。バスールは、テスト後よりも考慮すべきことが増えたと指摘し、次のように答えた。「テストの後では、どのチームも状況を把握できていなかったと思う。燃料のレベルやエンジンモードなど、すでにいろいろなことをやっていたからね」「しかし、あなた（メディア）を含め、誰もが予選でレッドブルがもう少し離れていると予想していたはずだと思うが、そでも我々はそこにいた」「そして、レースの最初の14周か15周で彼らと互角に戦えたことは、僕にとっては良いニュースだった」「だが、我々がハード2本、ソフト1本で走らなければならなかったところを、彼らはソフト2本、ハード1本で走れたのだから、これはゲームキラーになる。この点は改善しなければならない」「でも、私にとって最初の問題は信頼性だと思う。オペレーション上の問題をゼロにする必要がある」今年のフェラーリにとってタイヤのデグラデーションは『ゲームキラー』となる可能性があるという。待ちの姿勢を拒否するバスールバーレーンGPで4位入賞を果たしたカルロス・サインツは、次戦サウジアラビアGPで自分のマシンの強みを発揮できることを期待している。高速のジェッダ・ストリート・サーキットはアスファルトが滑らかなので、バーレーンのようにフェラーリのデグラデーションが激しくなることはないはずだ。しかし、バスールは、タイヤ摩耗の現状を把握するために、あと2、3戦待つつもりはない。「たとえバーレーンはデグラデーションが極端だったけれど、今日の状況は今日の状況だ」とバスールは語る。「また、コースレイアウトや、DRSによるトラクションフェーズがあることも考慮しなければならない」「つまり、調子が悪ければメガ（問題）になるということだが、これが現状だ」"状況は状況を増やすもので、状況を変えるものではない」フェラーリが短期的な問題に直面していると感じているかどうかについてはバスールは「私は水晶玉を持っていない」と答えた。「正直なところ、予想するのはかなり難しい。チューニングによって解決できることもあるが、あまり長くは続かないことを願っている」