フェラーリF1のシャシー責任者を務めるエンリコ・カーディルが、2021年F1マシン『SF21』の開発について語った。フェラーリF1は、2021年シーズンに先立って技術部門を再編。シャシー部門はエンリコ・カーディルを主任として、車両コンセプト、シャシーパフォーマンスエンジニアリング、シャシープロジェクトエンジニアリング、車両オペレーションの4つのエリアに再編された。
フェラーリF1は、3月10日(水)に2021年F1マシン『SF21』を発表。緑のMission Winnowのロゴに新しいツートンカラーの赤いカラーリングだけでなく、SF21のデザインは、その前身であるSF1000と比べて場所によって著しく異なっている。フェラーリF1のシャシー部門を率いるエンリコ・カーディルがSF21の開発コンセプトについて語った。「SF21プロジェクトを開始したとき、我々の最初のタスクは、根本的な変化を達成するためにマシンのどの領域に焦点を当てるべきかを特定することだった」とエンリコ・カーディルは語る「我々はリアエンドを選び、新しいギアボックスと新しいサスペンションシステムを設計した。我々のパワーユニットの同僚の努力に加えて、はるかにタイトなリアエンドにつながっている。また、冷却システムを検討し、中央ラジエーターの効果を高め、より多くの“ダウンウォッシュ”を備えたボディを設計した」「空力は、タイヤに大きな負担をかけないようにするために、垂直荷重を生成する能力を減らすことを目的としたレギュレーションの変更によって影響を受けた領域の1つだった。そのため、マシンの空力開発を開始するにあたり、レギュレーションによって失われたよりも多くの空力ダウンフォースを取り戻すことと、ドラッグを減らすことの2つの目標を設定した」フェラーリは、2019年のエンジンをめぐるFIAとの個人的な和解によって引き起こされたF1パワーユニットのパフォーマンスの低下とドラッギーなシャシー特性に苦しみ、2020年に40年間で最悪のシーズンを迎えた。新型コロナウイルスのパンデミックにより、F1チームは、2022年までの新しいレギュレーションの延期や、現在のルールの過半数の凍結など、コスト削減策に同意した。F1チームはメジャーアップグレードに2つの開発トークンを使用することを許可されたが、それでも空力は自由に開発することができ、フェラーリはマシンの前部にいくつかの変更を加えることができた。「レギュレーションにより、マシンのフロントエンドでの大幅な変更は可能ではなかった。そこで、新しいコンセプトのノーズと連動する新しいフロントウィングを開発したが、シャシー自体とサスペンションは昨年のSF1000のままとなっている」「これらの課題が我々を怖がらせないのは確かだ。我々はいつものようにそれらの課題と向き合い、団結し、足を地面につけて、我々が表す名前を尊重するために、多くのことをしなければならないことを認識している」フェラーリF1は、3月11日(木)にフィルミングデーを利用してバーレーン・インターナショナル・サーキットで『SF21』のシェイクダウンを実施。ドライバーを務めるシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが走行を実施する。
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