元F1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーブは、フェラーリは“イタリア人によるイタリアのチーム”という夢を捨てなければ、現代のF1で成功することはできないと主張する。今年、フェラーリは過去数年で最大のスランプリに陥っており、現時点でコンストラクターズ選手権6位に沈んでいる。すでにフェラーリの幹部たちは、同じシャシーが使用される2021年ではなく、新レギュレーションによってマシンが一新される2022年に目を向けている。
マクラーレンF1のCEOを務めるザク・ブラウンも、2022年のF1レギュレーションと来季から導入される予選上限が、再びF1のフィールドのレベルを整え、勝利のチャンスを提供することを期待していると語っている。しかし、ジャック・ヴィルヌーブは、今のままのチーム体制ではフェラーリがF1の新時代の幕開けを生かせるかどうかは確信していないと語る。「レギュレーション変更はエンジンではなく、シャシーと空力に関係するため、メルセデスがすでに追っているアドバンテージを引き継ぐことになるだろう」とジャック・ヴィルヌーヴは Sky Italia に語る。ジャック・ヴィルヌーヴも、F1界の大多数と同世に、スポーツで最も偉大なチームであるフェラーリの不振は、イタリア人の自尊心だけでなく、F1にとっても良いことではないと同意する。「非常にそう思う。問題は彼らが勝っていないからではなく、技術的にはるかに後れを取っていることにある」「フェラーリは今日のメルセデスだったかもしれない。だが、彼らは非常に多くの才能のあるエンジニアを手放した。イタリア人ではないという理由でね。そして、彼ら全員がライバルのところに落ち着いた」ジャック・ヴィルヌーヴが言う“多く”には、アルド・コスタやジェームズ・アリソンが含まれる。2011年にフェラーリの市販車部門に異動となり、2012年にメルセデスF1のテクニカルディレクターに就任したアルド・コスタはエンジニアリング・ディレクターとして2014年から2018年までタイトルを連覇したマシンの陣頭指揮を執った。一方、ジェームズ・アリソンは2016年にフェラーリを離れ、2017年にテクニカルディレクターとしてメルセデスに加入している。ジャック・ヴィルヌーヴは、フェラーリF1の“イタリア人によるメイド・イン・イタリア”という夢にも疑問を投げかげる。「彼らはフェラーリを真のイタリアのチームにしたいと思っているが、それは現代のF1で成功するための前提条件ではないと思う」とジャック・ヴィルヌーヴはコメント。「チームは非常に困難な時期に直面しており、彼らが再び立ち直るには多くの時間がかかるだろう。おそらくとも少なくとも2年はかかるだろう。最も重要なことは、コスト度外視でチームに最高の人材を獲得することだ」ジャック・ヴィルヌーヴは、今後もメルセデスの支配が終わることはないだろうと考えている。「F1がハイブリッド・フォーミュラのままである限り、ライバルがメルセデスに近づくことはほとんど不可能だ。彼らは最高のマシンを持っているだけでなく、ルイス・ハミルトンという最高のドライバーも持っている」