フェラーリF1は、今週末のオーストリアGPではバルセロナでのプレシーズンテストから実質的に変更されていないSF1000でシーズンを開始するが、第3戦ハンガリーGPで大幅なアップグレードの投入を計画していると語る。フェラーリF1は、プレシーズンテストでライバルのメルセデスおよびレッドブル・ホンダF1に遅れをとっているように映り、多くの人々が2020年のタイトル候補からフェラーリF1を外している。
また、ロックダウン中には、フェラーリF1のチーム代表マッティア・ビノットが、チームのエンジニアがマシンの空力を再考していたことを素直に認めており、SF1000のパフォーマンスに対しする懸念は高まっている。だが、フェラーリF1の“方向展開”の結果は、7月末のF1ハンガリーGPまで目にすることはできない。そして、2021年の開発凍結を考えれば、フェラーリF1は効率的に開発を進めていく必要がある。「今週末はバルセロナのテスト終盤に使用されたのと同じ構成のマシンが走ることになる」とマッティア・ビノットはフェラーリF1のオーストリアGPのプレビューで説明した。「だからといって、マシンで作業ができる5週間半の非常に限られた時間に我々が何もしなかったわけではない。チームとの合意でFIAによって求められた活動の完全な停止だけでなく、パンデミックへの対応に伴う作業周りの厳格な手順があったためだ」「テストの結果により、特に空力の面で、開発に関して方向性を大きく変えることになったのは事実だ」「まずは期待通りの結果が得られなかった理由と、結果としてプログラム全体をどの程度再調整するかを理解する必要があった」「我々が目標に到達しなかったことを把握していたので、計画した方向に進むことは逆効果だった」「最初のレースへの準備がすべて整っているわけではないことはわかったいたので、マシン全体を調べる新しいプログラムを考え出すことを決定した」。「7月19日のハンガロリンクでの第3戦でアップデートを投入することが我々の狙いだ」だが、今後の計画の変更にも関わらず、マッティア・ビノットは、フェラーリF1がオーストリアで好成績を収める可能性を帳消しにしておらず、過去数か月間に行われた分析のおかげでチームはSF1000の理解をはるかに深めていると主張する。「マシン自体の実際の開発に加えて、ここ数週間はシミュレーション作業とドライバーの助けを借りて、マシンの挙動の分析について多くの作業を行ってきた。オーストリアでその価値が証明されると考えている」とマッティア・ビノットは語る。「現時点では、我々が最速のパッケージがないことはわかっている。メルボルンに向かう前からそれは知っていたことであり、それは変わっていない」「とはいえ、シュピールベルクのサーキットはモントメロ(バルセロナ)とは異なる特性を備えており、気温は2月の気温よりもはるかに高くなる」「オーストリアでは、あらゆる機会を最大限に活用する必要がある。ハンガリーでは、我々の競争相手自身がもたらすであろう開発を考慮に入れなければならないが、我々現在取り組んでいる新しい開発ステップによって、他と比較した実際の位置を見極めることができるだろう」