ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染が最も深刻なイタリアでは、3月15日時点で死者が1809人、感染者も2万4747人となり、感染拡大の歯止めがかからない状況となっており、フェラーリはF1チームを含めて操業停止を決断した。感染者のうち死亡した人の割合を示す致死率は7.3%と先月WHO(世界保健機関)などの合同調査チームが発表した中国全体の致死率の3.8%を大きく上回っている。
イタリア政府は、全土で不要不急の外出を控えるよう求めているほか、生活に必要な物を取り扱う店を除いて、すべての商店の営業を禁止する異例の措置に踏み切ったが、感染拡大に歯止めがかかっていない。イタリアに拠点に置くフェラーリは、部品の供給で最初の深刻な問題に直面しており、マラネロとモデナのフェラーリの組立ラインを停止。F1ファクトリーも閉鎖し、閉鎖期間中に消毒を行うという。ただし、非生産活動はすべて継続され、4,000人を超える従業員全員に引き続き給与は支払われる。フェラーリのCEOであるルイ・カッミレーリは、これらの困難な時期に従業員に特に感謝していると語る。「このような時期に、私は何よりも先にフェラーリの女性と男性に感謝している。この女性と男性は、過去数日間にわたる多大なコミットメントにより、当社ブランドを定義する情熱と献身を示してきた」「サプライヤーと一緒に、彼らは会社の生産を世話してくれた。そして、彼らへの敬意から、彼らの心の安らぎと家族の平和のために、私たちはこの道を選んだ。我々は強力なリスタートの準備をしている」イタリアでは、ブレーキメーカーのブレンボが4つの工場の一時閉鎖すると発表。F1公式タイヤサプライターであるピレリでは、従業員に感染者が出たことで製造縮小を決定している。イタリアに続き、スペインとフランスも非常事態を宣言。日常不可欠な物資と薬品の買い物、仕事が目的の場合を除いて、市民が自宅から外出するのを禁止した。美術館や博物館、文化施設、スポーツ施設も閉鎖され、レストランとカフェは、デリバリーでの営業のみ認められる可能性がある。