フェラーリは、2009年マシンの不振はダブルディフューザー問題が大きかったとし、規約が明確になった来年のマシンに自信をみせている。シーズン開幕時にブラウンGP、トヨタ、ウィリアムズのみが採用したダブルディフューザー。FIAがダブルディフューザーを合法だと判断すると各チームが導入し、実際、終盤までディフューザーの開発を続けたレッドブルやマクラーレンはシーズン後半に目覚ましい進歩を遂げた。
しかし、フェラーリはF60にダブルディフューザーを組み込むのに苦労。マシンの改善が困難なことを理解したフェラーリは、シーズン中盤にF60の開発を放棄。2010年マシンの設計に集中する決断を下した。2010年への自信の理由を聞かれたステファノ・ドメニカリは「この自信は、規約に抜け目がないこと、つまり合法だという事実からきていると言える。合法性だ。議論はないし、我々は常に先をみることができる」「我々または、2年前にロス(ブラウン)がホンダとった、すべての努力を新しいプロジェクトに集中させるという選択をした。我々がマクラーレンと違うことをした理由は、我々のマシンは2層ディフューザを開発できるような構造になっていなかったからだ」「行き詰った。来年に持ち込むことができないので、その部分を開発する必要はないと言った。それが理由だ。風洞の数字をみて、私はポジティブに感じている。地に足をつけているし、前向きなのは確かだ」フェラーリはわずか1ポイントでライバルのマクラーレンにコンストラクターズ・チャンピオンシップ3位を奪われたが、ステガノ・ドメニカリは厳しいシーズンのかなでのチームのファイティングスピリッツを称賛した。「我々にはスピリットがあったし、我々はフェラーリのスピリットとフェラーリのリソースを活用することに慣れている。それは我々が今年学ばなければならなかったことだ」「もちろん難しいシーズンだったが、今年の状況と起こったことに目を向けなければならない。技術面で、チャンピオンシップが最初からダブルディフューザに左右されたのは確かだ」「我々は、その種の構造のないマシンに取り組まなければならなかったし、追いつくのは難しかった。開発の最初の段階を検討したとき、7月半ばにこのマシンの開発をやめて来シーズンに向けた作業をするというとても難しい決断を下した」「非常に痛みをともなう辛い決断だった。この競技には多くの感情があるので苦しまなくてはならないし、合理低な決断を下したと考えなければならない。今年犠牲を払うのは痛みを伴ったが、来年はうまくいくと期待している」「チャンピオンシップが終わって、我々は残念ながら4位だった。最後までマシンを開発するという尊敬するべき決断を下したマクラーレンにわずか1ポイント差でね」「フェリペ(マッサ)の事故以来、1台のマシンしかポイントを獲得しなかった。コップを見て、半分が空だというより半分残っていると思わなくてはならない。それが我々が考えなければならないすべてだと思う。しかし、今年は来シーズンに向けて学ぶべき重要な教訓がたくさんあるのは確かだ」