セルジオ・マルキオンネが、肩の手術後に健康状態が悪化したことで、フェラーリの会長兼CEOおよびフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の最高責任者(CEO)を退任することが正式発表された。7月21日(土)、フェラーリとFCAグループはセルジオ・マルキオンネの退任を発表。フェラーリはジョン・エルカンを同社の新会長に指名。FCAグループは「ジープ」「ラム」ブランド責任者マイク・マンリーがCEOに就任することを発表した。
また、フェラーリは、株主の承認を待って、数日中にも取締役で元フィリップ・モリス・インターナショナルの会長であったルイス・キャリー・カミッレーリがCEOの職を引き継ぐ予定としている。セルジオ・マルキオンネは(66)は今月、右肩の手術を受け、医療休暇を取っていた。しかし、今週になって想定外の合併症が発生。21日(土)に症状が大幅に悪化し、実務を続行することが不可能な状態と判断された。2009年にフィアット・クライスラー・オートモービルズのCEOに就任したセルジオ・マルキオンネは、2014年9月にルカ・ディ・モンテゼーモロの後任としてフェラーリ会長兼CEOに就任していた。フェラーリは声明の中で「フェラーリNVの取締役会は、本日の会議において、深い悲しみと共に会長兼CEOのセルジオ・マルキオンネが実務復帰できないとの知らせを受けた」と述べた。「役員の思いはセルジオ・マルキオンネおよび彼の家族と共にある。過去数年間に渡り、彼がフェラーリにもたらした並はずれたの献身に心から感謝している」「取締役会は会長としてジョン・エルカンを指名し、数日中に招集をかける株主の承認を得て、ルイス・キャリー・カミッレーリをCEOに任命する予定だ。また、取締役会はルイス・キャリー・カミッレーリに対し、会社経営の継続を確実にするために必要な権限を与えていく」セルジオ・マルキオンネは、過去数年間にわたってスクーデリア・フェラーリをF1における成功の道に返り咲かせるべく多くの改革を行い、ドライバーラインアップやチームの全体的な方向性に関する判断にも深く関わってきた。2019年にはキミ・ライコネンに代えてシャルル・ルクレールを昇格させることを推進しているとも報じられている。最近ではアルファロメオをザウバーのタイトルスポンサーとしてF1に復帰させた。また、F1界にも強い発言力を持っており、2012年の新レギュレーションがフェラーリの考え方に見合ったものでなければ、F1を撤退すると強硬な姿勢をみせていた。今後、フェラーリの会長を務めるジョン・エルカンは、フィアット創業家出身で名誉会長を務めたジャンニ・アニェッリの孫にあたる。ジョン・エルカンは「セルジオ・マルキオンネの健康状態に関して、フィアット・クライスラー・オートモービルズN.V.は手術から回復中だったマルキオンネ氏が、今週になって予想外の合併症を患い、この数時間のうちに悪化したことを深い悲しみを持ってお知らせしなければならない。その結果、マルキオンネ氏の現場復帰はかなわなくなってしまった」とコメント。「本日、会合を開いたFCA取締役会は、まずセルジオ・マルキオンネと彼のご家族に親しみを伝えた上で、彼がこの数年に渡って人間的かつプロフェッショナルとして弊社にもたらした驚異的な貢献を強調しておきたい」「取締役会は数カ月を通して取り組んできたCEO引き継ぎのプロセスを進めることを決定し、マイク・マンリーをCEOに指名することを決定した。したがって取締役会は近日中に招集する次回株主総会において彼の取締役選任、および社のエグゼクティブディレクター就任を提案する予定だ」「その一方で、完全な職権と当社の経営の継続性を提供するため、取締役会は即時有効事項としてマンリー氏にCEOの全権を委ねることとする。マンリー氏はまた北大西洋自由貿易地域(NAFTA)に関する責任も負うことになる。マンリー氏と彼が率いるマネジメントチームは今年6月1日に提示されたFCAの強力かつ独立した将来をより強固なものにするために2018年から2022年の事業計画の実現を継続していく」