2018年のF1バルセロナ合同テストでは、フェラーリのF1エンジンを搭載したマシンがピットレーンで放出する“大量な煙”が話題となった。フェラーリのF1マシンがガレージを出る際、複数回にわたってピットレーンを飲みこむほどの煙が放出されており、それはカスタマーチームのハースとザウバーにも見られた。
その珍しい光景に、F1パドックではフェラーリがF1エンジンに何らかのトリックを実施しているのではないかとの憶測が流れた。しかし、実際にその煙は昨年フェラーリが行っていたとされる“オイル燃焼”を取り締まるために導入された新しいいF1レギュレーションの結果のようだ。FIAはチームが燃やしているオイルの量を監視するために新たな要件を追加したが、他にもキャッチタンクからのオイルの蒸気の配管に関するルール調整も導入された。以前はアクティブ コントロールバルブを使用してその蒸気をクルマのエアボックスに戻ることができ、エンジンに送ることでパワーブーストのために燃やすことができた。しかし、2018年のルールでは、そのような制御は禁止され、クルマの後方から余分なオイル蒸気いを排出することが義務付けられた。それによって、チームはマシンの後部からオイル蒸気を排出するための配管を装着しており、特にフェラーリはそれが煙の原因になったようだ。フェラーリは、クラッシュ構造のケーシング下部にチャンネルを設置して蒸気を排出することを選んでおり、他チームよりも多くのオイル蒸気が排出されるように見える。他チームは排気ガスに沿って排出、もしくは他の場所から大気中に放出している。また、F1バルセロナ合同テストの非常に気温に低いコンディションでは、暖かいオイル蒸気の可視性が高まり、クラッシュ構造周りとディフューザーを通る気流によって誇張されていた。排煙の特性がフェラーリに何らかの懸念を引き起こしているか、オーストラリアGPにむけて設計が微調整されるかはまだはっきりしていない。FIAはコース上では煙は現れていないので干渉する必要はないとしている。F1レースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、フェラーリ搭載マシンの排煙は、作う年グリッド上でトロロッソに見られたものと類似していると述べた。「我々はかなり頻繁にそのような現象を目にしているし、去年はトロロッソがエンジンを始動した際に多く見られていた」「我々はオイルがシールを通してターボに入っているだけだと考えている。コース上では現れていない」