フェラーリは、2016年F1マシン『SF16-H』で空力面で大幅な変更を施した昨年、フェラーリはパワーユニット面で大きな改善をみせ、セバスチャン・ベッテルが3勝を挙げた。しかし、ベッテルが勝ったサーキットは、マレーシア、ハンガリー、シンガポールと低速コーナーを特徴としたサーキット。空力面を強化する必要があることは明らかだった。
フェラーリは19日(金)に新車SF16-Hを発表。1970年代にインスパイアされたホワイトをフィーチャーしたカラーリングが注目を集めてはいるが、マシンのデザインコンセプトが大幅に変更。昨年のパワーユニット改善の改善を受け、空力面に大きくシフトした設計となった。フロントノーズには、ウィリアムズが開拓したワイドなウィングステーに突起のような先細ノーズを加えたショートノーズを採用。併せて、4シーズンぶりにフロントサスペンションをプルロッドからプッシュロッドに変更。サイドポッドもコンパクトになっている。これらにより、ノーズ下の気流の領域を広げ、リアへの気流を整理。スプリッタ、フロア、サイドポッドのアンダーカットなどを通過する気流を改善させ、圧力中心を後方に移動させ、ディフューザーにより多くのダウンフォースをもたらす。そして、注目はリアのパッケージングにある。フェラーリは、SF16-Hのためにパワーユニットのレイアウトを変更。ギアボックスの幅も狭くし、MGU-H以外のレイアウトを全て変更。よりタイトなパッケージングと低重心化を実現している。昨年マシンと比較するとリアの絞り込みはかなりアグレッシブなものとなっており、マクラーレン・ホンダさながらのフェラーリ流“サイズゼロ”を実現している。
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