フェラーリは、将来的にレベルを下げたエンジン技術が適用されるのであればF1で“レースする意思はない”と語気を強めている。世界モータースポーツ評議会は、エンジンを含めたF1の問題を解決するべく、FIA会長のジャン・トッドとF1の商業権を保有するバーニー・エクレストンに権限を与えた。
2人は1月31日までに結論を出す意向であり、F1グリッドに着く一部の小規模チームにかかる財政的な負担を和らげるための方策を導入しようとしている。2人が提唱する案の一つが、カスタマーエンジンに対して支払う余裕のない小規模チームにも利用しやすい独立系メーカーによる低価格なエンジンの導入だ。だが、価格を抑えたこのエンジンの導入案について、フェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長は、同意できないルールが適用されるのであればF1を去るつもりだと語った。セルジオ・マルキオンネは、低価格エンジン供給のプランについて「フェラーリはレースで勝利する能力を示すため、他の道を見つけることだろう」と Motorsport.com に述べた。「フェラーリの離脱は非常に残念なことだろう。だが、フェラーリは窮地に追い込まれて何も言えないなどという状況になるわけにはいかない」「今、ルールはそれを解釈する法律家に役立つように記述されている。2014年11月にはパワーユニット開発にトークンを使用可能なことが明らかになっていた。それがある意味でフェラーリのシーズンを救った。しかし、我々はルールを簡素にしなければならず、より管理可能なレギュレーションが必要だ。数年前にそうだったように、法律家ではなく、エンジニアの手を借りるようなレギュレーションだ」セルジオ・マルキオンネは、F1の現状を全面的に見直すための権力をジャン・トッドとバーニー・エレストンに与えた世界モータースポーツ評議会の決断を批判している。「我々には明らかに共有できない選択だ。なぜなら、我々はレギュレーションの発展は協調的な方法でなされるべきだと考えているからだ。メルセデスとルノーも見解を同じくしている。我々はここで数億ユーロを費やしており、軽々と決断すべきではないことについて話している」「問題は小規模なチームにも購入可能なパワーユニットを作ろうとするなかで、開発できる組織の価値が下がることだ。我々がレースをする理由はそこにある。我々はパワーユニットを管理する能力を自分たち自身と全員に示すためにサーキットへ行く。このアドバンテージが弱まっていくのなら、フェラーリにレースをする意思はない」「F1がNASCARのようになるのなら、我々はサーキットでのソリューションという経験によるアドバンテージを失うだろう。それは製品にも影響を与えるかもしれない。小規模チームが直面している問題の難しさについてはよく理解している。だが、それはフェラーリではなく、FOMが解決すべき問題だ」