フェラーリは、冬休み中のチームの努力によりパワーユニットが昨年以上に競争力を増すと自信を見せつつ、大きなアップデートはもう少し後まで取っておくつもりだという。 エンジンだけが2014年マシンの弱点だったわけではないが、フェラーリのパワーユニットは先頭を走るメルセデスと比較して、特にレースでのパワー不足が顕著だった。
フェラーリのパワーユニット部門責任者マッティア・ビノットは、その部分の改善が2015年最初のレースからはっきりと見られるはずだと述べた。「昨年のエンジンは、主要なライバルと比較して十分な性能を持っていなかった。そこが昨シーズンの弱点の1つだった」とマッティア・ビノットは述べた。「オーストラリアGPではパワーユニットの明らかな改善が示されるはずだが、我々はシーズン中にさらに大きなステップアップができると考えている」コスト削減のために、エンジンの開発はトークンシステムを使って制限されている。しかし、今年は開幕戦までにすべてを使い切る必要はなく、シーズン中の好きなタイミングで開発トークンを消費することが可能となっている。ルノーは、開幕戦までに多くのトークンを使い切るという戦略を採っているが、フェラーリは、少し先までアップデートを取っておくことを選んだという。「トークンに関するの我々の方針は、初めはできるだけ使わず、シーズン中に開発の余地を多く残しておくというものだ」とマッティア・ビノットは付け加えた。「2015年のパワーユニットはすでに大幅なパフォーマンスを獲得しており、我々はシーズン全体を通してプッシュを続けるつもりだ」テクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンも、フェラーリが改良部分のひとつとしてパワーユニットに重点を置いたことを明かし、昨年に抱えた問題を次のように説明している。 「パワーユニットはとりわけ改善に力を注いだ部分のひとつだ。昨年のエンジンとパワーユニットには多くの問題があった」とジェームズ・アリソンは述べた。「シーズン序盤はパワー供給の機能が優れておらず、ドライバーたちが求めるタイプのスロットル反応を得るのが非常に難しかった。これについてはシーズン中に随分と改善したので、SF15-Tに関してはさらにもう一歩踏み込んでいる」「旧型車の明白な弱点はターボから回収可能な電気的エネルギーの量がレース中に競争力のあるパワーレベルを発揮できるほど十分ではなかったことだ。昨年、フェラーリの予選パフォーマンスがレースパフォーマンスに比べて相対的に強力だったのはこれが理由のひとつだ。我々は予選とレースのパフォーマンスがうまくバランスを取れるように、エンジン構造を変えることに取り組んだ」「その上で、プレーンでシンプルな馬力がある。どのチームも同じ燃料量を燃やすことしか認められていない燃料制限の中で、あらゆる圧縮行程、点火過程のひとつひとつを通して最大限の馬力を引き出せるように、燃料効率のすべての側面に膨大な作業が施されている」関連:フェラーリ、SF15-Tを発表
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