メルセデスが、アブダビで行われたF1公式テストにおいて、フェラーリの“スパイ活動”を阻止したと伝えられている。La Gazzetta dello Sport は、フェラーリのスタッフと思われる金髪の女性が、赤外線ビデオカメラで撮影を行っている写真を掲載。フェラーリのチームウエアを着用し、ベルトにヘッドフォンをかけた女性は、メルセデスのガレージのすぐ上にある観覧エリアで撮影を行っていた。
使用されたカメラは、日本アビオニクス製の多機能赤外線サーモグラフィ『InfReC R300』。メーカーの説明によると「最新の国産センサを採用し、0.05℃の温度分解能と±1℃の温度精度、1.21mradの空間分解能など、世界トップレベルの高性能を実現。高温測定用フィルタや豊富なレンズラインアップでさまざまな被写体の測定に対応。また、PC上でリアルタイム画像の記録から詳細なデータ解析、レポートの作成が可能なソフトウェアを標準付属。USB2.0でPCに接続し、熱画像と可視画像を同時転送、可視像合成がリアルタイムに行える。電子機器や機械、生体などの研究・開発分野から生産ラインでの品質管理、構造物の劣化診断、電力設備の保守・点検まで様々なシーンで優れた能力を発揮」とある。このようなカメラを使って情報を集める目的は、W05の熱散布のパワーユニットのコンポーネント、流体といった、フェラーリの技術者にとって貴重な情報を得るためと考えられる。メルセデスのメンバーは、観客席に駆け上がり、女性に撮影を止めるよう求めたという。その“スパイ”にはどのような任務が与えられていたのかと尋ねられたフェラーリは「特にないよ」と Bild に語ったという。