フェラーリのルカ・ディ・モンテゼーモロ会長は、F1は“機能していない”ので撤退し、スポーツカーレースに活動の場を移すかもしれないと Wall Street Journal に語った。フェラーリは、F1を主催するFIAと長年にわたり論争を続けており、ルカ・ディ・モンテゼーモロはF1の特に最近のレギュレーション変更に対して不満を表していた。
14日(土)にスタートするル・マン24時間レースでは、フェルナンド・アロンソがスターターを務めるとともに、そこでフェラーリがル・マンおよびWEC世界耐久選手権のLMP1カテゴリーへの参戦を発表するのではないかと報じられていた。ルカ・ディ・モンテゼーモロ「F1は機能していない」と同紙に述べた。「人々は、興奮を求めてレースを見ているということをFIAは忘れている。効率性見ているわけではないだろう?」FIAは、今年F1に新V6ターボハイブリッドエンジンを導入して騒音と環境汚染を抑えるなど、環境に優しいモータースポーツをアピール。しかし、ルカ・ディ・モンテゼーモロは、新しいレギュレーションはF1でできる体験において重要な要素であるエンジンの轟音を消し去ってしまうと不満を漏らす。「人々はレースを娯楽のために見ている。ドライバーが燃料やタイヤをセーブするところを見たいわけではない。あちらこちらで行われるバトルを見たいのだ。F1はスポーツであるのはもちろんだが、同時にショーなのだ」また、ルカ・ディ・モンテゼーモロ会長は、シーズン中のエンジン開発禁止に対しても非難。「その上、我々はエンジンに触れることもできない」1950年からフォーミュラワンに参戦しているフェラーリは、過去221回のグランプリ優勝と共に、ドライバーズタイトル15回、コンストラクターズタイトル16回を獲得している。フェラーリは、ル・マン24時間レースなどの耐久レースにも参戦していたが、1973年にフェラーリの創設者エンツォ・フェラーリがF1のみに集中するという選択をした。ルカ・ディ・モンテゼーモロは、F1撤退についてはまだ何も決まっていないと強調したが、フェラーリは2020年にも耐久レース参戦が可能になるとも示したと同紙は報じている。「我々はスポーツカーレースとF1の両方に参戦はできない。それは不可能だ」とルカ・ディ・モンテゼーモロは述べた。フェラーリは、このルカ・ディ・モンテゼモーロの発言とF1撤退と結びつけるのは現時点では“拡大解釈”であるとしつつも、フェラーリは参戦継続を確約している2020年まではF1を継続するものの、それ以降はF1を撤退し、ル・マン・シリーズに専念していくことになるかもしれないとの警鐘めいた文章を公式サイトに掲載した。しかし、フェラーリはル・マンとF1の両方に対応することもできるとし、「フェラーリが両方の分野で戦い続けるために活動を強化することを止められるものは何もない」と主張した。
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