フェラーリのチーフデザイナーを務めるニコラス・トンバジスが、開幕4戦の戦いを振り返るとともに、ヨーロッパシーズンのスタートであるF1スペインGPについて語った。「全体的に序盤の結果は、優勝とチャンピオンシップを争えるという感覚において、残りのシーズンに関してそれなりに楽観的になれるものだった」とニコラス・トンバジスはコメント。
「だが、全体的なパフォーマンスを評価すれば、10点満点中6点しか与えられない。それには2つの理由がある」「1つは、我々はまだまったく望んでいる場所にいないということだ。開幕4戦では、実際にポールポジションを争うことはできなかった。それは現時点での我々のメインの課題のひとつだ」「2つ目は、実際の結果を見れば、優勝できたことは当然非常に満足できることだが、非常に少ないポイントしか獲得できなかった2つの非常に悪い結果もあった」「だが、全体的には今後に関して楽観的であると繰り返して言うことができる」スクーデリア・フェラーリは、ここ数年で最も競争力のあるシーズンスタートを切っているが、そこには様々な要因が絡んでいるとニコラス・トンバジスは語る。「我々は作業の実行と組織面におけるアプローチに一連の変更を実施した。同時に我々は施設を改善しており、今ではクルマの特定のエリアがどのように働くかについてより理解を深めていると思う。その全てをまとめることで、これまでのシーズンよりも良いスタートを切ることができた」「だが、プロセスはまだ完了していないし、根本的な変化の途中に過ぎないと感じている。我々はそれら全てのパラメータの改善する作業を継続している。施設という点では、風洞で行っている仕事も含まれる」「我々が採用した新しい作業メソッドと新しい構造は、我々によりクリエイティブなことをできるようにした。構造を再編成し、人々により多くの考える時間を与えることはパット・フライとともに確立させた課題のひとつだった」「我々はここ数年で若干の人員不足だったエリアを特定した。それは人々にプレッシャーを与え、どのようにクルマを速くできるかについて考える時間を与えていなかった。それが作用している。その点が今年ここまでのパフォーマンスの改善に間違いなく貢献しているが、まださらに改善できる余地はある」開幕4戦は、特性が非常に異なるサーキットで実施され、熱い気温から涼しい気温、土砂降りから砂漠の暑さといった一連の変数をチームに投げかけた。それらは状況をチャレンジングなものにしたが、エンジニアにとっては数レースであらゆるコンディションでクルマがどのように機能するかという見解を与えた。「気象状況ならびに我々がここまでレースをした4つのトラックの特性の違いにより、ライバルと比較しての相対的な強みと弱点を測定することができた」「コーナーのタイプも含め、トラックの種類や天候の両方において、サーキットがヘビーブレーキングや他の類似したパラメーターを含むかに関わらず、特定のコンディションで強いことがわかった」「全体的にサーキットに依存するし、それらの強みと弱点のいくつかは強調させていくだろう。それでも、ここまで見てきたものをベースにすれば、今後数レースで不変のパフォーマンスレベルを期待してはいないが、大部分のコンディションでそれなりの競争力はあると思う」F1スペインGPが開催されるカタロニア・サーキットは、F1カーのオールラウンドな実力をテストする場であり、少なくとも今後数レースの序列を読み取る重要なバロメーターとなる。「開幕4戦の後、それなりに長い間隔があったので、ライバルの大部分がスペインにかなりの数のアップデートを持ち込んでくると思うし、驚きはしない」「もちろん、我々もアップデートを持ち込むし、当然、詳細にはあまり立ち入りたくはない。だが、それらはボディワーク、フロア、ウイングに及ぶ」「いかなる新しいコンポーネントであっても、開発においてではなく、我々が期待しているように働くかどうかを見極める際の困難がある。したがって、バルセロナの金曜午後までの我々の課題は、風洞で得られた測定値をトラック上で確認し、何をレースで使うかという点をクリアにすることだ」


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