フェラーリF1の育成ドライバーであるラファエル・カマラ(トライデント)が、FIA F3第9戦ハンガリーのフィーチャーレースでポール・トゥ・ウィンを達成。今季4勝目を挙げ、最終戦モンツァを前に2025年のドライバーズタイトルを獲得した。レースはローリングスタートで開始され、カマラはポールポジションから完璧な発進でリードをキープ。カンポス・レーシングのマリ・ボヤとARTグランプリのトゥッカ・タポネンがそれぞれ2番手と3番手に続いた。
■ レース序盤:波乱の中でも冷静なカマラタイトルを争っていたMPモータースポーツのティム・トラムニッツは、16番手スタートから巻き返しを狙うも、序盤のターン7でスピン。タイトルの望みは早々に潰えた。一方、プレマのウゴ・ウゴチュクウは7番グリッドから好スタートを決め、2周目のターン2でVARのテオフィル・ナエルをオーバーテイクして5番手に浮上。3周目にはDRSが解禁され、ボヤがカマラを1秒以内で追走。ファステストラップを記録しながらターン2で仕掛けたが、濡れた路面でのトラクション不足により抜ききれず。4周目の終盤、ロディン・モータースポーツのロマン・ビリンスキとAIXレーシングのブラッド・ベナビデスがターン13で接触。ベナビデスがタイヤバリアに突っ込み、セーフティカーが導入された。■ 中盤の再開と波乱7周目のリスタートでカマラは再び首位を守り、チームメイトのチャーリー・ヴルツはターン1でナエルをかわして6番手に浮上。さらに前方では、ウゴチュクウがハイテックTGRのジェラード・シェに対してターン5でオーバーテイクを仕掛けるが、シェが接触。両者はスピンし、再びセーフティカーが導入されることとなった。10周目終了時にレースは再開。カマラはまたしても完璧なリスタートで首位を維持した。■ ツォロフの猛追と白熱の表彰台争い13番手スタートのニコラ・ツォロフ(ART)は怒涛の追い上げを見せ、リスタート後すぐに10番手へ浮上。ターン1でノア・ストロムステッドにスイッチバックを決めて9番手、さらにジェームズ・ウォートンも交わして8番手へ。だが13周目のターン13でワイドになり、チームメイトのローレンス・ファン・ホーペンに抜かれて10番手に後退。その後、ツォロフは再びペースを取り戻し、14周目にはジュスティとバドエルを立て続けに抜いて6番手に。20周目にはナエルとの差を1秒以内に縮め、ヴルツ&タポネンと三つ巴の表彰台争いに加わった。■ 王者カマラ、誰にも譲らぬ勝利だが、先頭を走るカマラに脅威となる存在はおらず、そのまま独走でチェッカーフラッグ。完璧な週末でタイトルを確定させた。ボヤは2位を守ってフィニッシュし、ポイントランキングでもツォロフを逆転して2位に浮上。3位には粘りの走りを見せたタポネンが入った。4位ヴルツ、5位ナエル、6位ツォロフ、7位にプレマのブランド・バドエル、8位ファン・ホーペン、9位MPのアレッサンドロ・ジュスティ、10位にはカンポスのタサナポール・イントラプバサクが続いた。フェラーリ育成ドライバーのラファエル・カマラ、堂々たる勝利でF3タイトルを獲得■ 王者コメント:ラファエル・カマラ(トライデント)「今フィーチャーレースが終わって、同時にチャンピオンも決まりました。シーズンを通して非常に良い戦いができたと思っています。シーズン序盤から常に強さを示せていましたし、今は少し気を緩めてこの瞬間を楽しみたいです。チャンピオン争いをしているときは、なかなか立ち止まって楽しむ余裕が持てないですからね。みんなのサポートと応援に心から感謝しています。今はとにかく楽しみたいと思います。本当にありがとう!」■ ドライバーズランキング(第9戦終了時点)ラファエル・カマラ(トライデント) — 156ポイントマリ・ボヤ(カンポス) — 108ポイントニコラ・ツォロフ(ART) — 106ポイントティム・トラムニッツ(MP) — 93ポイントマルティニウス・ステンショルネ(ハイテック) — 80ポイント■ チームランキングトライデント — 282ポイントカンポス・レーシング — 263ポイントMPモータースポーツ — 166ポイントARTグランプリ — 144ポイントVAR(ヴァン・アメルスフォールト) — 136ポイント
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