レッドブルF1育成のアーヴィッド・リンドブラッドがスペインでのFIA F2フィーチャーレースでポールポジションから完璧な走りを見せ、フィーチャーレース初優勝を飾った。カンポス・レーシング所属のリンドブラッドは、スタートからフィニッシュまでレースを支配。今季タイトル争いの有力候補としての地位をさらに固めた。2位にはセバスチャン・モントーヤが入り、3位には今週末2度目の表彰台となるリチャード・フェルシュホーが続いた。
リンドブラッドは予選で素晴らしいパフォーマンスを見せてポールを獲得し、フロントロウにはプレマのドライバーが並んだ。土曜のスプリントレースで勝利を挙げたフェルシュホーは5番グリッドから、チャンピオンシップを争うルーク・ブラウニングとアレックス・ダンは4列目から決勝を迎えた。なおダンは、フリー走行中のビクター・マルタンスとのピットレーン接触により3グリッド降格のペナルティを受け、5番手から8番手へ降格していた。レッドブル・ジュニアが首位を守るインビクタ・レーシングのレオナルド・フォルナロリは、スタート手順違反でスチュワードの調査対象となった。レーススタートではリンドブラッドがモントーヤの攻撃を抑えてターン1に首位で進入。フェルシュホーが3番手に浮上し、地元スペインの人気ドライバー、ペペ・マルティは11番手から6番手にジャンプアップした。ハイテックのブラウニングは5番手にポジションを上げた一方で、ダンは9番手に後退。フォルナロリには10秒のタイムペナルティが科され、すでにポイント圏外に落ちていたイタリア人ドライバーに追い打ちをかける形となった。この隙を突いてARTの宮田莉朋がフォルナロリを抜いて10番手に浮上、その直後にダンもオーバーテイクし9番手まで順位を上げた。3番手からスタートしたクッシュ・マイニ(ダムス)はスタートで大きく出遅れ、序盤数周で10ポジションを失う厳しい展開となった。先頭のリンドブラッドは5周目までにモントーヤとの差を約2秒に広げ、序盤からレースを完全に掌握した。上位10人の中では、ダンとジェイク・クロフォードのみがハードタイヤを選択する異なる戦略を採っており、それ以外は全員ソフトタイヤスタートだった。ジョシュア・ダースケンは7周目に最初のピットインを敢行し、ハードタイヤへと交換した。リンドブラッド、ピット後も首位を堅持リンドブラッドはモントーヤとのギャップを約3秒に広げ、アンダーカットの可能性を封じた。9周目にはブラウニングとフェルシュホーがピットイン。次の周にはロマン・スタネクとモントーヤもピットへ向かい、リンドブラッドは1周多く走ってから12周目にピットインした。その間、ダースケンはブラウニングをストレートでパスしたが、その際にコース外へはみ出したため、AIXレーシングからポジション返還の指示が出された。ピットアウト後のリンドブラッドは、モントーヤとフェルシュホーの前に戻り、依然として実質トップを維持。レースコントロールはダースケンのコース外走行によるアドバンテージ獲得を確認し、5秒ペナルティを科した。ソフト勢のほとんどがピットを終えた中、ラファエル・ヴィジャゴメスとキアン・シールズだけがステイアウトを選択し、ハード勢が一時的に先頭を走行。しかしリンドブラッドはクロフォードの背後12秒の位置につけており、スペインでの代替戦略が効果を発揮しにくいことを示していた。マイニはハードタイヤで引っ張っていたが、そのスローなペースがリンドブラッドのチームメイトを助ける形になった。ブラウニング、接触で後退22周目、ブラウニングと宮田がターン4で接触。宮田はグラベルに押し出され、ブラウニングはフロントウイングを損傷してピットイン、ソフトタイヤに交換して最後尾に後退した。一方その直前にはクロフォードもピットインし、宮田の直後11番手で復帰。これによりリンドブラッドはダンに次ぐ2番手へ浮上。ダンはまだピットインしておらず、7秒差で逃げていた。26周目にダンがようやくピットインし、ベガノビッチが最後のピット未消化ドライバーとして首位を走った。クロフォードとダースケンはターン3で接触。ダムスのマシンからはパーツが飛び散ったものの、クロフォードは7番手に浮上。30周目にはフェルシュホーの4秒後方、4番手まで順位を上げた。フェルシュホーはモントーヤの0.5秒後方に迫り、両者ともリンドブラッドからは4秒遅れていた。リンドブラッド、スペインで2勝目を飾るソフトタイヤを履いたダンとマルタンスがそれぞれ6番手と9番手まで浮上。35周目にベガノビッチがようやくピットインし、クロフォードはフェルシュホーにDRS圏内で接近。その直後、フォルナロリがターン3でストップし、セーフティカーが導入された。この処置によりレースはそのまま終了となった。リンドブラッドはそのままチェッカーフラッグを受け、今季2勝目を挙げた。これでポイントランキングでは6位から3位へ浮上し、ダンとフェルシュホーを追う展開に。2位にはモントーヤ、3位にはフェルシュホーが入り、クロフォードは惜しくも4位で表彰台を逃した。ダンは5位でフィニッシュし、チャンピオンシップ首位をキープ。地元のマルティが6位、スタートに苦しんだマイニが7位まで挽回。15番手スタートのマルタンスは8位まで順位を上げ、宮田が9位、ミニが10位でポイント圏内を締めくくった。F2スペイン フィーチャーレース 決勝リザルト(暫定)1.アービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング)2.セバスチャン・モントーヤ(プレマ・レーシング)3.リチャード・フェルシュホー(MPモータースポーツ)4.ジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル)5.アレックス・ダン(ロダン・モータースポーツ)6.ペペ・マルティ(カンポス・レーシング)7.クシュ・マイニ(ダムス・ルーカスオイル)8.ビクター・マルタンス(ARTグランプリ)9.宮田莉朋(ARTグランプリ)10.ガブリエル・ミニ(プレマ・レーシング)11.ロマン・スタネク(インビクタ・レーシング)12.サミ・メゲトニフ(トライデント)13.アモーリー・コルディール(ロダン・モータースポーツ)14.マックス・エスタ―ソン(トライデント)15.ディノ・ベガノビッチ(ハイテックTGR)16.オリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ)17.ジョシュア・ダウルクセン(AIXレーシング)18.ジョン・ベネット(ファン・アメルスフォールト・レーシング)19.キアン・シールズ(AIXレーシング)20.ルーク・ブラウニング(ハイテックTGR)リタイア.レオナルド・フォルナロリ(インビクタ・レーシング)リタイア.ラファエ...
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