F1の勢力図が、スペインGPを機に大きく変化する可能性がある――そう警鐘を鳴らすのは、ザウバーF1の代表ジョナサン・ウィートリーだ。バルセロナで行われるスペインGPでは、FIAによる「フレキシブル・ウイング」規制の厳格化が初めて導入される。特に高速走行時にウイングがどれほどしなるかに対する検査が強化され、いくつかのチームはこの新基準に合わせて調整を迫られている一方で、変更の必要はないとするチームもある。
現在、シーズン6戦中5勝を挙げてF1をリードしているのはマクラーレンだが、ウィートリーは今回の規制強化によってその構図に変化が生じる可能性があると見ている。「これは非常に大きなパフォーマンスの差につながる要素だ。だからこそ、順位に変化が起きてもおかしくない」とウィートリーは語る。「フロント勢と中団は非常に接戦だから、こうしたちょっとした変化が大きな違いを生む可能性がある」現在コンストラクターズ選手権で最下位に沈んでいるザウバーにとっても、今回のレギュレーション変更は浮上のきっかけとなり得る。チームは2026年からアウディのワークスチームとしてF1に参戦する予定だが、今季のマシン開発も引き続き重視している。「我々にはアップグレードに向けたプログラムがある」とウィートリーは語る。「これまで行ってきた開発内容を理解し、それを基に、これまでよりも少し的を絞ったパッケージをまとめることを目指している」「ただ、現時点でその投入時期については明言したくない」