F1のチーフテクニカルオフィサーを務めるパット・シモンズは、2019年に空力ルールを微調整してより緊密なレースを促進しようとしたのは間違いだったと認める。昨年、F1とFIAは、マシン同士がより密接に追従し、オーバーテイクの可能性を高めることを目指して空力ルールを変更。あまり洗練されていないフロントウイング、ウイングレッドを排除して簡素化されたフロントブレーキダクト、広くて深いリアウイングを含めた修正は、2021年の大幅なF1レギュレーションの準備にむけた“試行錯誤”のフェーズとみなされた。
しかし、空力ルールの変更はコース上のアクションにプラスの影響を与えることはできず、依然としてドライバーは接近戦に苦労した」「それらは急いで行われたが、後から考えれば、やらなかった方がよかったかもしれない」とパット・シモンズは Autosport International Show で認めた。「2021年に我々がやることに比べれば、クルマの後流のために行うことができたのはごくわずかだ。実際、そのルールで考えていたようにはまったくならなかった」「それまでに我々は多くの調査を行い、重要なエリアを理解し始めていたが、実際に除外する必要があったいくつかのルールを実行できなかった」「全体的な施策をもう少し改善できたと思う。だが、それが我々が2021年にむけてやっていることの前例とは考えていない」2020年のF1世界選手権について、パット・シモンズは上位での厳しい戦いを予測しているが、F1チームはシーズン中のマシンの開発と2021年の準備とのバランスをとるという点で厳しい状況に直面すると主張する。「上位で支配があれば、その支配的なチーム誰であろうとおそらく少し早めに乗り換える余裕があるだろう」とパット・シモンズはコメント。「しかし、私は上位で支配が起こることはないと思っている。上位では良い戦いがあるだろう」「そして、それがチームが深く腰掛けて2021年のマシンに取り掛かるのを止められることを期待している。一方、後方チームの一部は2020年マシンにもう少し努力することができるかもしれない。なので、今シーズンは良いシーズンになるはずだ」「2021年は再びマシンが仕上がってくるまで最初は分離されるだろうが、良いレースが見られることを願っている」