エステバン・オコンは、ここ数戦の厳しく不安定な週末を経て、新たに導入されたF1モナコGPのフォーマット変更の恩恵を大きく受けたドライバーのひとりとなり、ハースとしては開幕戦バーレーンGP以来となるポイント獲得を果たした。モンテカルロの狭く曲がりくねった市街地コースでは、2回の義務的ピットストップが導入されたことで、タイヤを長持ちさせるマネジメント主体の走行が抑制され、代わりに多様な戦略が生まれる展開となった。これは、追い抜きが難しいモナコで少しでもレースに動きをもたらすことを狙った措置だった。
各チームがこの新ルールに独自のアプローチを試みたなか、オコンのガレージ側が実行した戦略は見事にはまり、予選8番手という好結果を土台に1つポジションを上げ、決勝では7位フィニッシュ。6ポイントを持ち帰る結果となった。この順位上昇は、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソがレース中盤でリタイアしたことも一因だが、オコンは16周目と28周目のタイミングで的確にピットインを重ね、中団争いで重要なポイントを手にした。ハースの戦略はオコンにとって完璧に機能し、貴重なポイント獲得に結びついたレース後、オコンは次のようにコメントした。「週末を通してとてもいい流れだったと思う。予選から決勝まで、一つもミスがなかった」「必要なときにすべてをうまくまとめられたから本当にうれしい。チームにとって大きな6ポイントだし、満足している」「予選に向けて大きく進歩できたのもポジティブな要素だし、それを他の週末にもどうすれば再現できるのかを考える必要があるね」さらに、欧州3連戦の締めくくりとなる次戦に向けて、次のように語った。「バルセロナはこことはまったく違うサーキットで、ダウンフォースやエンジンパワーの重要性が高い。何が得られるか様子を見るけど、まずは今回の結果をしっかり喜びたい」一方で、チームメイトのオリバー・ベアマンにとって、モナコはやや暗い週末となった。ベアマンはFP2中に赤旗が掲示されているにもかかわらずカルロス・サインツを追い越してしまい、10グリッド降格という重いペナルティを科された。その影響もあり、予選ではQ1敗退の17番手となり、決勝は最後尾スタートを強いられた。グリッド降格ペナルティにより、ポイント獲得のチャンスが大きく削がれたベアマン決勝では1周目と17周目にピットインする異なる戦略を試みたが、追い上げには限界があり、最終的には12位でレースを終えた。ベアマンは次のように語った。「自分にできる最大限のことはやったと思う。まずはエステバンにおめでとうを伝えたい。チームがポイントを取れたのは本当にうれしい」「自分のガレージ側にとっては難しい週末だったけど、チームとしては成果があった。今回のレース展開では、自分がポイント圏内に入るのは難しかったと思う」
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