エステバン・オコンは、2ヵ月前の“素晴らしいポジション”から一転して2019年のF1シート獲得の望みがどんどん薄れていっている現状が“信じられない”と語る。エステバン・オコンは、2019年の移籍にむけてルノーと暫定的な契約を結んでいたが、ダニエル・リカルドの電撃移籍によて白紙化されてしまった。
その後、現所属チームのフォースインディアをローレンス・ストロール率いるコンソーシアムが買収。息子で現在ウィリアムズのドライバーを務めるランス・ストロールの加入は確実とされ、チームメイトはセルジオ・ペレスが契約を更新するとみられ、エステバン・オコンは弾き出されることになる。エステバン・オコンは、マクラーレンのドライバー候補に挙げられており、すでにファクトリーでシート合わせを行っていたが、マクラーレンは将来を期待して育ててきたランド・ノリスを手放すことを望まず、2019年のドライバーに起用した。現在、F1グリッドに残されているシートは少なくなっているが、エステバン・オコンはメルセデスとの結びつきが足かせとなっている。「イライラしているわけではないけど、本当に落胆している。言葉以上にね」とエステバン・オコンはコメント。「誰かや何かに対して怒っているわけではない。でも、僕はここにたどり着くために本当に頑張ってきたし、過去2年間でパフォーマンスを発揮するために本当に頑張っている。今年は去年と比較して進歩しているし、セルジオ(ペレス)に対して予選で11対3だ」「全てのレースで全力を尽くして戦っているし、ここまで来て、来年、自分が何をするかわからないのは飲み込むのが難しい」「そうだね。まだ望みはある。でも、ご存じの通り、どんどん薄れてきている。今は結果だけでなく、他のことも必要なことがわかって少し失望している。そういうわけで、僕はそのような状況にいることに落胆している。2ヵ月前は素晴らしいポジションにいたのに、今こんな風になっているなんて信じがたい」エステバン・オコンは、2019年のF1シートを得るためにメルセデスとのコネクションを断ち切ることは考えていないとし、また来年F1外でレースをするというオプションもまだ検討していないと語る。「それについては彼(トト・ヴォルフ/メルセデス モータースポーツ責任者)とはまだ話し合っていない。僕にわかっているのはメルセデスと契約しているということだけだし、それについては一度も話したことはない」7月にマクラーレンと契約するチャンスがあったが、ルノーを選んだことについて質問されたエステバン・オコンは「数カ月前には素晴らしいポジションにいた。そうだね、今はシートのない状況にわかってしまった」とだけ答えた。ルノーに失望させられたかとの質問にも「それについてコメントするつもりはない」と語った。また、メルセデスのカスタマーであるウィリアムズに加入する可能性については「まだ彼らや僕が行ける場所について話し合われているとは思うけど、その可能性もどんどん小さくなってきている」と述べた。今週初め、エステバン・オコンは、ファンのサポートへの感謝のメッセージをSNSに投稿。それによって気持ちは和らいだと語る。「毎日、優しいメッセージを受け取っていたので少しメッセージを書いた。厳しい時期だけど、英国で言うように“上をムて歩こう”という気分だ」とエステバン・オコンはコメント。「まずは僕をサポートしてくれている人々に感謝のメッセージを書いて、自分が少し感じていることを説明した。ずっと言っているように僕の人生はF1だし、それ以外には何もない。生まれたときから唯一望んできたのはレースをすることだけだった」エステバン・オコンが翌年のシートを獲得できない危機に陥ったのはキャリアで初めてのことではない。メルセデスに拾われる前、2014年にマックス・フェルスタッペンを倒してヨーロッパF3選手権のチャンピオンを獲得した際も同じような状況に陥っていた。現在の状況はその時よりも厳しいかと質問されたエステバン・オコンは「今はF3でタイトルを獲得したときと同じくらいだと言える。その前にもカートなどでどうなるかわからないときがあった」とコメント。「残念ながら、僕たちはこのような状況に慣れている。ただでは何も得られないし、そのために戦わなければならないことがあるように思う」「今回もまたそうなった。もう一度、これを乗り越えられることを願っている」