マックス・フェルスタッペンが、イモラでの勝利街道をさらに伸ばした。レッドブルF1にとって400戦目という節目の週末に、彼はこの地で4連勝を飾り、今季2勝目を挙げた。一方で、彼のライバルたちはこの伝統的サーキットから早々に立ち去りたいような表情を浮かべていた。決勝では10位入賞を果たした角田裕毅や、母国レースに臨んだキミ・アントネッリの奮闘も見られたが、選出には含まれず。
勢力図に変化の兆しが見え始めた中、エミリア・ロマーニャGPで明暗を分けた「勝者と敗者」をローレンス・バレットが振り返る。勝者:マックス・フェルスタッペンポールシッターのオスカー・ピアストリに仕掛けた見事なオーバーテイクは、F1史に残るものだった。これによりフェルスタッペンは今季2勝目、通算65勝目を挙げる展開となった。金曜プラクティスでは苦戦したものの、予選で2番手を確保すると、決勝ではミディアム、ハード両コンパウンドで圧倒的なペースを披露。レースを掌握し、5年連続のドライバーズタイトル獲得に向けて視界良好な一日となった。フェルスタッペンは今季7戦中4度の表彰台を記録しており、次戦モナコGPに向けてポイントリーダーのピアストリに22ポイント差まで迫っている。フェルスタッペンはイモラで今季2勝目を挙げた敗者:オスカー・ピアストリ予選では巧みにトラフィックを捌き、今季3度目のポールを獲得。これはフェルスタッペンに並ぶ最多記録だった。しかし、スタートでリードを失い、アンダーカットを狙って早めにピットインしたことでトラックポジションも落とす結果に。見事なオーバーテイクを連発したが、最終的にはチームメイトのランド・ノリスに新しいタイヤで抜かれて3位フィニッシュ。ランキング首位の座は保ったものの、リードは13ポイントに縮まった。勝者:ランド・ノリス過去4戦中3戦でトップ3グリッドを逃していたノリスだが、今回は日曜の走りで挽回。序盤スティントで好ペースを見せ、終盤にはチームメイトのピアストリを見事にオーバーテイクして2位を獲得。イモラで4戦連続表彰台を獲得しているが、まだこの地での優勝はない。ノリスは終盤、チームメイトのピアストリをオーバーテイクして2位を獲得敗者:ジョージ・ラッセル予選3位と好調を維持したが、スタートでピアストリに蓋をされると流れが変わった。マシンのペース不足を嘆きつつも、7位でフィニッシュして今季全戦ポイント獲得を継続している。勝者:ルイス・ハミルトン「ようやくフェラーリとの一体感を感じられた」と語ったハミルトンは、12番手スタートから怒涛の追い上げで4位フィニッシュ。イタリアでの“赤い初戦”で自己ベストリザルトを記録し、今季初めてチームメイトのシャルル・ルクレールを上回った。これでドライバーズランキング6位に浮上し、ルクレールとの差は8ポイントとなった。フェラーリで初めてイタリアのティフォシの前を走るハミルトン敗者:キミ・アントネッリ母国GPで臨んだアントネッリだが、開幕戦オーストラリア以来となるQ3進出を逃し13番手スタート。レース中盤にはポイント圏争いに絡んだものの、スロットルトラブルに見舞われ、F1初のリタイアとなった。勝者:ウィリアムズアレックス・アルボンとカルロス・サインツの奮闘により、3戦連続のダブルポイントを達成。アルボンはマイアミに続いて7番手から5位まで順位を上げ、フェラーリやメルセデスと互角に渡り合った。一方のサインツは、4戦連続でアルボンを予選で上回り、バルテリ・ボッタス以来の3戦連続トップ6グリッド獲得を達成。しかし戦略が裏目に出て8位に終わった。敗者:アストンマーティン今季初の大規模アップグレードにより、Q3進出(アロンソ5位、ストロール8位)を果たしたアストンマーティンだったが、VSCのタイミングを活かせず。有望に見えた1ストップ戦略が裏目に出てポイント圏外へと転落。アロンソは今季3度目の11位フィニッシュで依然として初得点を挙げられず、ストロールは15位だった。勝者:アイザック・ハジャーF1ルーキーのアイザック・ハジャーは、またもポイント圏フィニッシュ。過去5戦で3度目の入賞を果たした。スタートに課題があることを本人も認めたが、レース中は7位争いを展開。しかしセーフティカーが出たことでトラックポジションを失い、最終的に9位でチェッカーを受けた。敗者:ザウバーイモラでは光明も見えた。ガブリエル・ボルトレトが2戦連続でQ2進出を果たし14番手に。ニコ・ヒュルケンベルグは一時ポイント圏内を走行。ヒュルケンベルグは12位でフィニッシュし、これは今季のベストリザルトだったが、600戦目のメモリアルレースを無得点で終える結果となり、今季6戦連続のノーポイントとなった。