アストンマーティンが、レッドブルと組んでホンダのエンジンを搭載してDTM(ドイツツーリングカー選手権)に参戦するとの噂が浮上。ドライバーには現トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーやセバスチャン・ブエミの名前が挙げられている。現在、プランパンGTシリーズでアストンマーティン・チームを運営するR-モータースポートは、DTM参戦を検討しているという。
パドックの情報筋によると、プロジェクトはレッドブルの支援を受ける可能性があり、今シーズン末でメルセデスがDTMを撤退することでキャパシティに余裕ができるHWAがマシンを製造するとされている。チーム自体は、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーの父であるゲイリー・ホーナーがCEOを務めるアーデン・インターナショナルが運営することになるという。チームはシングルシーター活動でレッドブルのジュニアドライバーを走らせてきた長い歴史がある。参戦は4台体制になるとされ、レッドブルの契約ドライバーでフォーミュラEに参戦するセバスチャン・ブエミ、現在トロロッソ・ホンダからF1に参戦するブレンドン・ハートレー、そして、R-モータースポートでアストンマーティンのファクトリードライバーを務めるニッキー・ティームとマキシム・マルタンの名前がドライバー候補に挙げられている。マキシム・マルタンはBMWでのDTM参戦経験がある。DTMが新たに導入する4気筒 2リッターターボエンジンは、アストンマーティンの哲学に合致しておらず、マシンはSUPER GTで使用されるホンダのユニットが搭載されると推測されている。SUPER GTとDTM(ドイツツーリングカー選手権)は共通の技術規則「クラス1(Class One)」を完成させ、2020年より同規則に準拠した車両でレースを行うことになっている。R-モータースポートのチームプリンシパルを務めるフロチアン・カメルガーは「我々は急速に成長しているモータースポーツブランドであり、新たな機会を模索し、異なるシリーズに目を向けてるのは確かだ」と Autosport にコメント。「DTMには確かに関心はある。ポテンシャルがあるのは確かだ。だが、具体的なことはまだ決まっていない」R-モータースポートの親会社AFレーシングは、アストンマーティンのハイパーカー『ヴァルキリー』の構想と資金調達において大きな役割を果たした。そのヴァルキリーの開発はレッドブル・レーシングが担当している。アストンマーティンは、F1でレッドブル・レーシングのタイトルスポンサーを務めており、2019年からはホンダのF1パワーユニットを搭載した“アストンマーティン・レッドブル・ホンダ”として参戦する。アストンマーティンは、2021年から導入される新しいF1レギュレーション下でエンジンサプライヤーとしてF1に参入することを検討していたが、条件としていたコスト削減は進んでおらず、またレッドブル・レーシングとホンダがワークス契約を結んだこともあり、実現の可能性は低くなっていると考えられている。メルセデスが撤退することで、現状では来季からアウディとBMWだけとなるDTMだが、アストンマーティンが2020年の参戦をコミットすることになれば、存続についてははるかに安泰となる。また噂ではフェラーリの姉妹会社であるマセラティも参戦を検討しているとされている。