F1ドライバーの夏休みが終了。シーズン前半戦を戦い抜いた彼らは、ヨットでの休暇、家族との時間、そして非日常のアクティビティを通じて心身をリフレッシュした。休暇はトレーニングや競争と同じく重要な要素であり、最高の状態で後半戦に挑むための準備期間となった。ザントフォールトでの第14戦が8月29〜31日に迫るなか、各ドライバーはそれぞれ独自の方法で充電を終えた。海で過ごした者もいれば、新しい挑戦に取り組んだ者、完全にスイッチを切った者もいた。F1グリッドの夏休みの裏側を振り返る。
それぞれが異なる方法でこの休暇を最大限に活かした。スリルを求めた者、家族との時間を楽しんだ者、完全に通信を断った者、トレーニングで体を維持した者……グリッドの夏休みの過ごし方を振り返る。■ 海の上でリラックス陸上での数か月にわたる激しいレースを終え、道を離れて青く澄んだ海へと逃れたドライバーたちも少なくなかった。多くはアスファルトを離れてヨットに乗り込み、豪華な船上でのんびりと過ごした。ジョージ・ラッセル、シャルル・ルクレール、アレクサンダー・アルボンはパートナーと共に水上で過ごし、リラックスと大切な人とのひとときを両立させた。エステバン・オコンも家族や友人と海の上で特別な時間を過ごし、キミ・アントネッリも家族や親しい友人たちとギリシャの海での休暇を満喫した。一方でオスカー・ピアストリは、真のオーストラリア流に夏休みを祝った。マクラーレンの仲間と共にバーベキューを楽しみながら、休暇のさなかに待望のニュースを明かしたのだった。■ 話題を振りまくこの夏、ドライバーやその愛犬までもがサーキットの外で注目を集めた。ピアストリは母国ファンに朗報を届け、2026年からオーストラリアGPで自身のグランドスタンドが設けられることを発表した。一方、ピエール・ガスリーは新ブランドの立ち上げを思わせる謎めいた投稿でファンの関心を引きつけ、SNS上で大きな話題を呼んだ。さらにルイス・ハミルトンと愛犬ロスコーは『Vogue』誌──ロスコーのファンにとっては「Dogue」──の特集で主役を務めた。休暇中でも、海にいようと陸にいようと、彼らは人々の注目を集め続けていた。■ アドレナリンを求めてF1ドライバーにとってレースのスリルは不可欠だ。そのため夏休み中も、異なる形でその高揚感を追い求める姿が見られた。マックス・フェルスタッペンはeFoilに乗って水上を滑走し、ゲーム好きのランド・ノリスはEsportsワールドカップに参加してバーチャルの世界に没頭した。運転席に戻ることを我慢できなかった者もいた。ガブリエル・ボルトレトはストックカーに乗り込み、パートナーを助手席に同乗させて疾走。オリー・ベアマンはGB3に参戦中の弟トーマスの誕生日を、もちろん運転で祝った。F1グリッドは、サーキットを離れても心拍数を高め続けていた。■ 鍛錬を怠らず夏のシャットダウン中でも、アクティブに過ごすことを優先したドライバーも多かった。選手権リーダーのピアストリはモナコで縄跳びの技を披露。タイトル争いの勢いを維持する秘訣の一端をのぞかせた。一方、海の上で過ごしたドライバーが多いなか、水中に挑んだのはカルロス・サインツだった。家族と船上で過ごす合間に、11メートルもの深さへ潜水するアスリートぶりを見せつけた。ルクレールはパデルに打ち込み、チームメイトのハミルトンはウェイトトレーニングに励んだ。もちろん、夏休みにゴルフを楽しむドライバーも欠かせない。ガスリーはゴルフコースに姿を見せ、ランニングやサイクリング、ジムを組み合わせたトレーニングで身体を整えていた。ラッセルもまた例外ではなく、ヨットの上や休暇から戻った後でもトレーニングを欠かさなかった。休暇は単なる「スイッチオフ」ではなく、正しいバランスを探す時間であることを彼らは証明した。■ DND(Do Not Disturb)一方で、完璧に「Do Not Disturb」を選び、電話からもパドックの喧騒からも距離を置いたドライバーもいた。投稿もなく、話題もなく、ただ静けさの中で心身をリセットする時間を満喫。シーズンが再び轟音と共に幕を開ける前の、貴重な休息の瞬間となった。