2024年F1第5戦中国GP決勝で各ドライバーが使用可能な持ちタイヤ数と予想されるタイヤ戦略を公式タイヤサプライヤーのピレリが発表した。ピレリは、上海インターナショナル・サーキットにC2(ハード)、C3(ミディアム)、C4(ソフト)というミドルレンジのコンパンドをノミネートしている。決勝がドライな場合、2種類のコンパンドを使うことが義務付けられる。
スプリント・フォーマットではドライタイヤのアロケーションも変わり、13セットから12セット(ハード2セット、ミディアム4セット、ソフト6セット)となっている。理論的に最速のタイヤ戦略はミディアム‐ハード‐ミディアムと繋ぐ2ストップ戦略。トップ10ではフェルナンド・アロソ(アストンマーティン)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がこの戦略を実行できる新品セットを残している。2番目に速いタイヤ戦略はミディアム‐ハード‐ハードと繋ぐ2ストップ戦略。フロントロースタートのレッドブルの2台、フェラーリ勢などが新品セットで可能なセットを残している。だが、前日の19周のスプリントではジョージ・ラッセル(メルセデス)がソフトで順位を上げてフィニッシュしており、後方グリッドのドライバーはスタートタイヤ、上位グリッドのドライバーは第2スティントまでのタイヤの持ちによって最終スティントで逆転を狙って投入する可能性もある。マリオ・イゾラ(ピレリ モータースポーツディレクター)「中国GP週末の2日目は、観客に多くの関心をもたらした新しいフォーマットで非常に賑わっており、今日も観客はグランドスタンドを埋め尽くした。スプリント レースでは、ミディアム タイヤの優れたパフォーマンス レベルが明らかに実証されました。ラッセルのおかげで、レースで使用できるコンパウンドとしてソフトを無視できないことがわかった。早めにピットインしてアンダーカットを活かしたいドライバーにとっては、第1スティントでの理想的なソリューションとなる可能性がある。ここでは非常に効果的であり、あるいは、もしドライバーが古いタイヤを履いていて、他のドライバーより遅れをとっているような場合、レース終盤に順位を挽回するために使うこともできるかもしれない。昨日のフリー走行と今日のスプリントで見られたデグラデーションレベルの高さを考えれば、2ストップが最速の戦略であることは明らかだ。理論上はC3とC2のミックスがベストだが、前述したようにC4も使える。タイヤの摩耗という点では、最も注意が必要なのは左フロントだが、リヤも苦戦を強いられる可能性がある」