F1中国GPでは、新しいタイヤ規約によって多彩な戦略がみられることになるかもしれない。2016年からルールが変更され、各週末に使用できるコンパウンドは2種類から3種類に増えた。また、ドライバーはグランプリ週末に使う13セットのタイヤのうち、10セットまでを自分で選択することができる。この配分はチームメイト間でも違いが見られ、上海ではメルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの間でも選択が異なっている。
中国に持ち込まれるのはミディアム、ソフト、スーパーソフト。ピレリのモータースポーツダイレクターであるポール・ヘンベリーは今回のチョイスがピレリ製品の汎用性を物語っていると述べた。「中国は今季これまでにわれわれが訪れたサーキットとは非常にタイプが異なる。しかし、タイヤのノミネーションは同じであり、このことは我々の製品が幅広い環境に対応できることを強調している」とポール・ヘンベリーはコメント。「上海はとてもクールなレースになりそうだが、特性からして何でも起こり得るので、各チームは戦略においてオープンな姿勢を保ちつつ、レースコンディションに備えてプラクティスで集めたデータを注意深く関連付けなければならない」「今回選ばれた3つのコンパウンドはこれまでに数々の戦術的な配置を導いており、中国でも戦略はかなり幅広くなると予測している」新ルールではピレリが3セットを指定し、今週末はレース用にミディアムとソフトを1セットずつ、予選にスーパーソフトを1セット確保することが決められている。ドライバーはレース中に少なくとも2種のコンパウンドを使用しなければならない。メルセデスのテクニカル部門エグゼクティブ・ディレクターを務めるパディ・ロウは、上海にスーパーソフトを持ち込むというピレリの決断によって中国GPでは早ければ5周目のピットインがあり得ると予測している。1周のラップタイムが最も速くなると見られるスーパーソフトは短時間で激しいデグラデーションに見舞われることになりそうだ。パディ・ロウは、F1中国GP前に各チームがかなりの分析を行ってくると考えている。「上海のサーキットはメルボルンやバーレーンと比較してまったく異なる負荷がかかる。しかしながら、3つのコンパウンドはこれまでと同じなので、競争力がどのような序列になるか興味深くなるだろう」「このサーキットでスーパーソフトが使われるのは初めてだ。新レギュレーションのおかげで、前戦バーレーンで目にした以上に極端な例が生じるかもしれない」「予選タイヤがレースに最適なタイヤとはならないだろう。全チームがスーパーソフトで予選に臨むことになるだろうが、レースでグレイニングが起きれば、最初の5周でピットストップするマシンも出てくるかもしれない」「金曜日には大量の分析が必要だ。予選とレース戦略にはいくつか興味深い判断が出てくる可能性がある」また、パディ・ロウは、中国の不規則なコンディションがピットウォールのストラテジストを悩ませると語る。「チームにとって、予測しがたいコンディションはさらなる困難をもたらす。上海はかなり暖かくなる可能性がある一方、ベルギーと同じくらい冷えることもある。そのばらつきがセットアップや戦略上の作業を難しくするので、常にチャレンジングな週末だ」関連:F1中国GP:各ドライバーのタイヤ選択
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