ケータハムF1チームの元オーナー、トニー・フェルナンデスが沈黙を破り、F1チームを売り払って「ホッとした」と心境を打ち明けた。マレーシアの格安航空会社エアアジアの経営者として知られるトニー・フェルナンデスは、ケータハムF1チームを謎のスイス系中東投資家グループに売却。現在、ケータハムF1チームの運営はコリン・コレスとクリスチャン・アルバースの二人が引き継いでいる。
ケータハムF1チームの売却についてトニー・フェルナンデスは「本当に肩の荷が下りた」と Independent に述べた。「トライ・アンド・エラーはビジネスに付きものだ」と語るトニー・フェルナンデス。現在はエアアジアを始め、イングランド・プレミアリーグのクイーンズ・パーク・レンジャーズ、四輪下位カテゴリーのGP2、さらに二輪のモト2チーム運営に集中している。F1では、数々の“やってはいけないこと”についてノウハウを学んだとトニー・フェルナンデスは語る。トニー・フェルナンデスはもっと真剣にケータハムに取り組めばよかった自らの失敗を打ち明け、チーム名を巡ってロータスと揉めたのも“大きな痛手”だったと述べた。「誰にも言わなかったが、あの一件で、F1は何と汚く、執念深い人々が集まるスポーツだろうと思った」「その後、チームは前進らしい前進もせず、多大な投資も功を奏さなかった。そこからが困難の始まりだ」元FIA会長マックス・モズレーが方向性を示した小規模チーム向けの経費削減策は成功しておらず、「ビッグチームを除いて、みんな苦しんでいる」と述べた。「どのチームも協力を口にするが、実行に移した試しがない。もう手を上げて『降参です。これ以上続けられません』と宣言するしかない。」バーニー・エクレストンからクイーンズ・パーク・レンジャーズを買い取ったトニー・フェルナンデスは、サッカーのビジネスモデルに触れて目も覚める思いだったと述べた。「トップだろうが最下位だろうが、どのクラブも生き残れるだけの金を得られる。それがサッカーとF1の大きな差だ」とトニー・フェルナンデスは述べた。「サッカーの方が風通しはいい。皆が運命共同体なんだという認識が浸透している」