ロンドンの高等裁判所は、チーム・ロータスが名称を継続使用することを許可するとの判決を下した。ロータスの市販車を販売するグループ・ロータスとトニー・フェルナンデス率いるチーム・ロータスは、「ロータス」の名称を巡って法廷で争ってきた。ロンドンの高等裁判所のピーター・スミス判事は、チーム・ロータスの名称とエンブレムデザインに対するグループ・ロータスの申し立てを却下。判事は、チームが「チーム・ロータス」の名称を使用することは、グループ・ロータスの商標の違反にはならないと判断した。
したがって、2011年のF1グリッドには黒&金のカラーリングを纏うグループ・ロータス側の「ロータス・ルノーGP」と緑&黄色の「チーム・ロータス」の2つのロータス・チームが存在するが、引き続きそれぞれがロータスの名称を使用することになる。また、グループ・ロータスがトニー・フェルナンデスのチームに対して「ロータス・レーシング」の5年の名称使用権の契約を早期に解消した問題については、グループ・ロータスには使用許諾を終わらせる権利があるとの判決が下され、グループ・ロータスは損害賠償請求を認められた。 実質的に双方の勝利ということになるが、どちらも判決に完全には満足していない。だが、トニー・フェルナンデスは、チームが歴史的なロータスの名前を継続できることを素直に喜んでおり、ライセンスの終了についてはポジティブにとらえている。 「チーム・ロータスの正当なオーナーであるということが明確化され、我々全員が嬉しく思っている。常に我々は提示した事実に基づいた証拠がこの裁定につながると確信してきた。今日の判決がその信念を認めている」「グループ・ロータスが2010年にライセンス協定を終わらせる権利があったと裁定されたことはもちろん残念だ。グループ・ロータスとの長期的なパートナーシップを開始していたとの根拠に基づいて契約を結んだが、残念ながら彼らはライセンスとパートナーシップを終結させる事前通知のプロセスにおいて技術的な違反を犯した」 「しかし、仲間の株主と私はひとつのドアが閉じられてもまた別のドアが開くとの信念をもっている。合意に達した初期の段階で、終了は回避不可能なことだと理解していたし、ライセンスの終了は起こるものであり、それは我々にとってポジティブなことなのだと気づいていた。その結果、多くの新しい道が開けている」一方、グループ・ロータスはロータスの名称が異なる2チームによって使用され続けることを承認する判決に不満を示し、即時上告の意向を明かした。グループ・ロータス側は「チーム・ロータスには、新しいチーム・ロータスの名のものでF1でレースを続ける権利があるが、判決の結果はグループ・ロータスだけがF1で単独で“ロータス”の名前を使用できるというものだ」との声明を発表。「グループ・ロータスは、観客やより広い層に混乱を引き起こすことを懸念している。したがって、グループ・ロータスは、F1でロータス・ブランドを使う権利がスポーツとファンの利益にとって最終的に明確になるよう訴える許可を求めている。グループ・ロータスとその株主のプロトン・ホールディングは、訴訟の成功を確信している」