キャデラックF1チームは、テストドライバーを務めるコルトン・ハータを今季4回のフリー走行1回目(FP1)に起用する方針を明らかにした。初走行は6月12日のバルセロナ・カタルーニャGPで実施され、現行F1マシンでの初セッションとなる。インディカーで9勝を挙げたハータは、F1昇格を目指して今季からF2に参戦しており、今回のFP1起用はその挑戦を象徴する重要なステップとなる。
一方で、F1参戦に必要なFIAスーパーライセンスは現時点で35ポイントにとどまり、規定の40ポイントには届いていない状況だ。F2転向はスーパーライセンスポイント獲得が目的ハータはこれまでインディカーで実績を重ね、2024年にはランキング2位を記録したが、ポイント制度の違いによりF1参戦条件を満たしていない。F2では上位3名が40ポイントを獲得できる一方、インディカーはチャンピオンのみが40ポイントに到達する仕組みとなっており、ランキング2位では30ポイント、3位では20ポイントにとどまる。この制度差が、ハータのF2転向を後押しした形だ。26歳という年齢でのF2参戦は異例とも言えるが、ハータにとってはF1昇格に向けた現実的な選択となっている。今季はハイテックから参戦し、メルボルンのフィーチャーレースで7位を記録している。FP1で4度の実戦機会を獲得F1では各チームに対し、ルーキードライバーをFP1で起用する義務が課されており、グランプリ出走が2回以下のドライバーが対象となる。ハータはこのルールを満たしており、キャデラックF1チームの4回分のルーキー枠をすべて担当する予定だ。初回はバルセロナで実施され、残り3戦は未発表となっている。すでにシート合わせも完了しており、マイアミGPでは再び現地入りする予定だ。これはバーレーンGPとサウジアラビアGPの中止に伴い、F2のスケジュールが再編された影響でもある。ハータ「すべての走行から学びたい」ハータは今回の機会について次のように語った。「初めてキャデラックF1チームのマシンに乗るのが待ちきれない」「フルのグランプリ週末の中でチームと密接に仕事ができることを楽しみにしているし、すべての走行から学ぶことに集中している」「レース週末全体に貢献し、チーム、チェコ、そしてバルテリをできる限り助けたい」グレアム・ロードンも高評価チーム代表のグレアム・ロードンは、ハータの実績とF2でのパフォーマンスを評価し、今回の起用を自然なステップと説明した。「コルトンはトップタレントだ。インディカーでの実績だけでなく、F2での力強いスタートでもそれを証明している」「4回すべてのヤングドライバーFP1を彼が担当するのは、テストドライバーとしての自然な次のステップだ。開発面で何をもたらすのか楽しみにしている」スーパーライセンス制度への疑問も浮上FIAスーパーライセンス制度については、一部から不公平との指摘も出ている。F1パドック関係者のウィル・バクストンは、制度のあり方について次のように疑問を呈した。「F1スーパーライセンス制度は、ある特定の才能の台頭に対する短絡的な反応として生まれたものだと何度も言ってきた」「制度を維持するなら、特にインディカーのポイント配分について大幅な見直しが必要だ」F1昇格へ向けた試金石今回のFP1起用は、ハータにとって単なる経験の場にとどまらず、F1昇格の可能性を左右する重要な評価機会となる。キャデラックF1チームにとっても、新規参戦体制の中で将来のドライバー候補を見極める場となり、ハータのパフォーマンスは今後の起用方針に直結する可能性がある。