2025年F1イギリスGPを目前に控え、各チームは最新の空力アップデートをFIAに提出した。今回の変更点は、主にフロア関連の構造に集中しており、多くのチームが局所的なダウンフォースの向上や流れの整流性改善を目的とした設計変更を施している。
特に高速コーナーが連続するシルバーストンでは、車体下の空力効率がマシン全体の競争力に直結する。各チームは、それぞれの技術的アプローチで空力性能を最大化し、週末の戦いに向けて準備を整えてきた。以下に、今回発表された主なアップデート内容をチームごとにまとめた。アストンマーティン:フロア全体にわたる空力最適化を実施アストンマーティンは、フロアボディ、フロアフェンス、フロアエッジ、そしてエンジンカバー上面に至るまで大規模な空力アップデートを投入。各部位の形状を微調整することでフロア下の気流を改善し、ローカルダウンフォースを増加させてパフォーマンス向上を図っている。マクラーレン:吸引再分配による空力性能の全体強化マクラーレンはフロア形状を全面的に改修し、吸引効果の再配分を実施。これにより空力バランスが最適化され、マシン全体の効率が向上している。さらにリアコーナーではブレーキダクトインレットを改良し、冷却性能との両立を図る。レッドブル・レーシング:圧力分布の最適化でさらなるダウンフォースへレッドブル・レーシングはフロアボディとフロアフェンスの形状・配置を調整。フロア全体における圧力分布をより均一にしつつ、流れの安定性を保ちながらダウンフォースを引き出す改良を施している。ハース:グラウンドエフェクトと流れ整流性の両立へ改良ハースは、フロア全体の拡張率調整、フェンスの再配置、小型化されたフロアエッジに加え、サイドポッドインレットとミラー形状も見直した。これによりアンダーフローの管理効率が向上し、横Gのかかる状況下での安定性とコーナリング性能を引き上げる狙いだ。キック・ザウバー:前方フロアとフロントウイングをイベント仕様に調整キック・ザウバーは、前方フロア形状をさらに発展させ、効率的なダウンフォース獲得を狙う。また、シルバーストン向けに設計された低ダウンフォース仕様の新型フロントウイングフラップも投入されている。レーシングブルズ:低バランス向けフロントウイングで戦略対応力を強化レーシングブルズは、今回および今後のイベントでの低バランス要件に応えるべく、より小型化されたフラッププロファイルのフロントウイングを導入。バランス調整幅を広げることにより戦術の柔軟性を高めている。ウィリアムズ・レーシング:フェンス形状の3D化で下流性能を改善ウィリアムズ・レーシングは、フロアフェンスの内側形状に大きく手を加え、リーディングエッジをさらに内側に設定。より立体的な形状にすることで流れの分布を改善し、車両後方の空力効率向上を目指している。
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