F1イギリスグランプリの主催者は、マイアミやラスベガスといった現在のF1の流れに乗り、注目を集めるために音楽活動とサスティナブルへの取り組みをアピールしていく。2017年にバーニー・エクレストンと結んだ開催料金が5%のエスカレーター式に上昇していく契約に解除条項を有効にしたシルバーストーンは、2019年にリバティメディアと新しい5年間の契約に署名した。
シルバーストン・サーキットのマネージングディレクターを務めるスチュアート・プリングルは、現在のF1オーナーであるリバティメディアとは「はるかに協力的」な関係を築いていろい、「手を取り合って通路を長い間歩く準備ができている」と語り、最近10契約を獲得したアルバートパークに続くことを目指している。大ヒットしたマイアミグランプリ、そして、2023年に初開催されるラスベガルグランプリと並ぶエクスペリエスを提供するために、シルバーストン・サーキットは、2つの側面の強化を計画している。 これには、F1イギリスグランプリをより“フェルティバル化”すると同時に、環境への取り組みの強化が含まれる。スチュワート・プリングルは「マイアミとラスベガスが出現したことで、シルバーストンではこれまで見られなかったレベルのエンターテインメントが期待されている」とコメント。「別のスポーツになりつつある。まったく新しい人がやってくるようになった」「ここシルバーストンで我々のチームを設定した課題は、どのようにそれに追いつくかということだ。我々はどのように自分たち独特のスタイルでそれをするのか? 均質化されたアメリカベースの製品になることなく、独自の方法でイギリスグランプリの独自のアイデンティティを維持していくにはどうすればよいのだろうか?」「答えは、英国の夏のフェスティバルに近づけることだ」「今後数年間で、音楽活動の質は大幅に向上するだろう」 最初の強化の一環として、今年のユーロビジョンソングコンテストで準優勝を果たしたサム・ライダーが、2022年のF1イギリスグランプリに先立って国歌を斉唱する。疑似音楽祭は、ファンを現場に留めて移動を減らすのに役立ち、サスティナブル性に関するシルバーストーンの目標を達成するのに役立つ。スチュワート・プリングルは「F1のもう1つの非常に重要な懸念事項、つまりチャンピオンシップのサスティナブル性についても取り上げている」とコメント。「F1で最もサスティナブルなラウンドではないにしても、我々はトップ2またはトップ3に入るだろう。我々が最もサスティナブルなラウンドになる可能性が高いと思う」英国は、10チームのF1チームのうち7チームが拠点を置いていることに加えて、ビギン・ヒルにF1放送部門があることで、移動の二酸化炭素排出量が削減される。さらに、238台バスによる強力なパーク・アンド・ライド・サービスと専用列車が、週末に参加する推定40万人のファンの公共交通機関を後押しする。シルバーストーンの所有者であるブリティッシュ・レーシング・ドライバーズクラブも、サーキットの年間エネルギー要件の25~30%が現場で生成されるように、2700枚のソーラーパネルに最大280万ポンドの投資を行う。スチュワート・プリングルは「F1イノベーションがこの国にとって素晴らしい理由は数多くある」と続ける。 「しかし、それを理解していない人もいる。彼らは我々が楽しむためだけにCO2を作り出していると思っている」「私はそれに対処することを決意している。それは非常に意図的な非常に目に見える声明だ…我々はこのビジネスを動かすために全力を尽くしている」 スパ・フランコルシャンのF1カレンダーでの将来が疑問視されているF1ベルギーグランプリの主催者も同じようにエンターテインメント主導のコンセプトに従うことが期待されている。