ブリヂストンが、F1ベルギーGPの展望を語った。2010年F1世界選手権第13戦ベルギーGPが8月27日〜29日に開催される。アルデンヌ地方(ベルギー)の丘陵地帯で行われるこのレースでブリヂストンはハード、ソフト両コンパウンドを使用する。ジェットコースターのように起伏が激しく全長が7.004kmもあるスパ・フランコルシャン・サーキットは、クルマとドライバーの双方に過酷なサーキットだ。今シーズンのレースで一番周回距離が長いこのコースでは、ブリヂストンタイヤにも1周を通じて大きな力がかかることになる。
安川ひろし (ブリヂストンモータースポーツ推進室長)「ブリヂストンはブリュッセルにヨーロッパの拠点を置き、ここがブリヂストン・ヨーロッパとその他のグループ企業の本社になっています。ブリヂストン・ヨーロッパは、ヨーロッパ全域で8ヶ所のタイヤ工場、技術センター兼プルービング・グラウンド、そしてさまざまな国々の販売組織を擁し、その従業員は13,000人を超えます。ベルギー国内だけでも1,000人を超える従業員がブリヂストンで働いています。そのため、スパで行われるブリヂストン最後のベルギーGPでは万感の思いが胸に迫るでしょう。F1参戦を開始する1997年以前はブリヂストン・ブランドの知名度はあまり高くありませんでしたが、ブリヂストン・ヨーロッパの支援を得て、今ではヨーロッパ全域で成果を上げています」浜島裕英 (ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部フェロー)「スパフランコルシャンはいろいろな秘密があるサーキットです。今シーズン一番長いサーキットであり、様々な特徴があります。このサーキットではタイヤに大きな負荷がかかり、条件が過酷なためスーパーソフトタイヤを使うことができません。オー・ルージュとセクター2は特に厳しいセクションです。高速コースであるものの、1周全体でクルマには比較的ダウンフォースの大きな構成が必要になるため、タイヤにいっそう大きな荷重がかかることになります。下り坂から一気に坂を駆け上がるオー・ルージュでは、タイヤにダウンフォースと慣性荷重に加えて高速の激しい圧縮力がかかります。そのためタイヤ圧を慎重に設定し、観察を続ける必要があります。また気象条件もしばしば大きな要因になり、特に天候によって路面温度が10℃から40℃まで変化します。森林地帯の中にあるため、急に雨が降り始める場合が多いことも考慮に入れなければなりません。スパでは退屈なレースになることはほとんどありません。私たちが最後のスパを楽しむことができるよう願っています」