ブリヂストンが、2009年のF1第12戦 ベルギーGPの展望をタイヤサプライヤーの立場から語った。今週末第12戦ベルギーGPがスパ-フランコルシャン・サーキットで開催される(8月28日〜30日)。今年最長の全長7kmのこのコースでは、ミディアム、ソフト両コンパウンドを使用する。スパ-フランコルシャンはアルデンヌ地方の森林地帯に位置する伝説的なサーキットである。19ヶ所にコーナーを擁する、高低差が大きい高速コースだ。連続したレンジであるミディアムタイヤとソフトタイヤを1レースで使用するのは今回が初めてになる。
安川ひろし (ブリヂストン・モータースポーツ推進室長)「ベルギーはブリヂストン・ヨーロッパの母国なので、ベルギーGPは私たちにとっていろいろな意味で母国GPのようなものです。ブリヂストン・ヨーロッパは、ヨーロッパ全域で8ヶ所のタイヤ工場、技術センター兼プルービング・グラウンド、そしてさまざまな国々の販売組織を擁し、その従業員は13,000人を超えます。ベルギー国内だけでもブリヂストン・グループは1,100人を雇用し、またブリヂストン・ヨーロッパ本社と子会社バンダグ・ヨーロッパ社を開設しています。スパは歴史の古い素晴らしいサーキットで、エキサイティングなレースが見られることを期待しています」 浜島裕英 (ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部長)――スパの課題は何か?「スパは由緒あるレース・サーキットです。高速で、1周を通じ数々の興味深い技術的な課題を呈し、また今シーズンF1レースが開催されるサーキットの中で最長のコースでもあります。高速コーナーを擁する、複数の長い高速セクションがあります。高速コースではありますが、マシンが採用するダウンフォースのレベルはかなり高く、タイヤを通じて大きな負荷がかかり、さらに1周あたりの高低差も大きくなります。オールージュは高速コーナーで、コーナーの底ではタイヤを通じて大きな力がかかります。ここでは十分なタイヤ圧をもたせることが非常に重要です」――タイヤのパフォーマンスで主に考慮すべき点は何か?「スパはタイヤについては厳しいサーキットです。1周を通じてタイヤに大きな負荷がかかります。また気温が低くなる可能性もあるため、特に機能温度が高いミディアムコンパウンドについては、走り始めのタイヤを温めることが課題になります。もちろん、天候のことも忘れてはなりません。これまでスパでは何度もウェットレースを経験してきました。距離が長いコースなので、ある地点はドライで別の地点はウェットということも起こります。レース中のタイヤ選択が決定的な要因になる可能性は十分にあります」浜島裕英のF1 ベルギーGP 解説キーポイントはズバリ気温。それにエリアが広すぎるので、天候が読めないというのも辛い。あるところで雨が降っているのに、あるところでは降っていないなんてよくあります。勝負所はオールージュを駆け上がった先の長いストレート・エンドの“レ・コンブ”5。怖いのはペースカーが入った時。タイヤ温度が下がってタイヤの内圧が一旦下がる。それでリスタートすると、タイヤ温度が上がらない状態で長い直線に入り、そうするとタイヤの耐久性上のリスクが上がります。路面が荒く路面温度が低いサーキットであることと相まって、グレイニングを誘発する可能性もあります。最高速が高いし、気温が意外と低いですから、内圧を守っていないチームは非常に危険です。典型的ドライバーズサーキットですから、誰が勝ってもおかしくないとも言えるでしょう!開催日程:2009年 F1 ベルギーGP
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