ブリヂストンが、2009年のF1第10戦 ハンガリーGPの展望をタイヤサプライヤーの立場から語った。ブリヂストンは、カレンダーの中で最もグリップの低いサーキットの一つであり、コース幅が狭く曲がりくねった全長4.38kmのハンガロリンク用に最も粘着力の高い2種類のタイヤを用意する。ハンガリーで使用するのは、モナコで使用した組み合わせ同じソフトとスーパーソフト両コンパウンドである。通常は隣り合わないスペック同士を使用するのだが、今回は隣り合うスペックの組み合わせとなる。その理由は、ハンガロリンク・サーキットがF1グ...
ハンガロリンクはブリヂストンにとって注目すべきコースだ。1997年にブリヂストンタイヤを装着したデイモン・ヒル(アロウズ)がハンガロリンクで首位を走行し、惜しくもファイナルラップで首位を譲ったものの、ブリヂストン装着車初優勝達成まであとわずかという活躍を見せたからだ。安川ひろし (ブリヂストン・モータースポーツ推進室長のコメント)「ハンガリーはブリヂストンにとって重要なマーケットです。また2008年に正式にオープンしたタタバーニャ工場の母国でもあります。この工場ではBIRD(Bridgestone Innovative & Rational Development)と呼ばれる完全自動化生産システムを採用しています。世界中でもっとも自動化が進んだタイヤ生産システムであり、ブリヂストンが、F1だけではなく一般車向け製品にも最先端技術とプロセスを採り入れていることを示すものです」浜島裕英 (ブリヂストンMS・MCタイヤ開発本部長)ハンガロリンクの課題は何か?「ハンガロリンクは、年間を通じてほとんど使われることがないため、とても興味深いサーキットです。つまり、金曜日と日曜日の決勝のサーキットのグリップ・レベルがまったく違ったものになる可能性が高いということです。このことがセットアップとタイヤ戦略の決定を難しくするので、チームとドライバーは懸命な作業が必要になるでしょう。特にグレイニングに関するタイヤ管理が重要です。またオーバーテイクが難しいため、予選順位が非常に大事になります。2006年にジェンソン・バトンがF1初優勝を果たしたレースで雨が降ったことはありますが、暑くなる可能性が高いため気候についても常に気を配っています」――このレース用タイヤ・アロケーションが連続したコンパウンドになっている理由は?「ハンガリーには隣り合ったスペックのタイヤを用意します。その理由は滑りやすい路面とサーキットのレイアウトにあります。ハンガロリンクは今シーズン私たちが訪れる常設サーキットの中でもっとも低速のコースであり、路面自体にタイヤを発熱させるほどの攻撃性がありません。ブリヂストンのスーパーソフトとソフトはいずれも低温で機能するタイヤです。これを使うことでチームとドライバーはタイヤの発熱を促し、良好なパフォーマンスを引き出すことができるでしょう」
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