ルーベンス・バリチェロが、ヤルノ・トゥルーリのシート喪失を受けて現在のF1の状況を嘆いた。ケータハムは、ヤルノ・トゥルーリとの契約を解消し、ヴィタリー・ペトロフを2012年のレースドライバーに起用することを発表。ロシアのスポンサーマネーを有する“ペイドライバー”がシートを奪った格好だ。このニュースを受け、自らも財政的な要因でF1シートを失ったルーベンス・バルチェロが、自身のTwitterでコメントを寄せた。
「ヤルノが2012年のグリッドにいないのは悲しい...金がすべてを支配している」ケータハムのチーム代表トニー・フェルナンデスは、ヴィタリー・ペトロフとの契約が世界的な経済状況のあおりを受けてのものであることを示唆している。トゥルーリ自身「個人的には腹を立ててはいない」としながらも、「ペトロフの貢献によってあそこで働く全員により穏やかな将来があることを願っている」との言い回しで金至上主義のF1について述べた。デビッド・クルサードは「トゥルーリの状況は、壁上の書き物(災難の前兆)、もしくは少なくとも契約について認識しろという年老いたすべてへの注意書だ!」とコメント。またヤルノ・トゥルーリのシート喪失は、約40年ぶりにF1グリッドからイタリア人ドライバーがいなくなることになる。イタリアのモータースポーツ界についてヤルノ・トゥルーリは「悲しいことだけど、僕の問題ではない。昨日始まったことではないし、なにも措置が講じられてこなかった状況に関して、他の人がこの疲弊の責任を取らなければならない」とコメント。「イタリアにはハイレベルなドライバーが現れるのを助けるシステムがないので、このような状況になってしまうのは普通なことだ。才能があっても誰のサポートもなければ彼らはどうしようもない」イタリア人ドライバーで、過去にイタリアF3000でチャンピオンを獲得してホンダのテストドライバーを務めていたルカ・フィリッピは「イタリアのモータースポーツにとって悲しい一日だ。F1を象徴する国から今年は僕たちは単なる観客になってしまう」とコメント。「僕たち全員が、このような日が来るのはわかっていた。誰もそれについて何もしなかったし、彼もそれについて気にしていなかった。悲しい一日だ」一方、イタリアのF1チームであるフェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリは「F1世界選手権のフィールドにイタリア人ドライバーがいないのは非常に悲しい」としながらも「ここ数年間、フェラーリはドライバー・アカデミーを通して新世代の若手ドライバーを生み出すための長期的な計画を確立している」と主張。「CSAI(イタリア自動車連盟)と協力して取り組んでいる」関連:ケータハム、ヴィタリー・ペトロフを起用!トゥルーリがシート喪失