レッドブルF1育成の岩佐歩夢はFIA F2モナコ大会のスプリントで独走で優勝。今季3勝目を挙げて10ポイントを獲得した。FIA F2選手権第5戦イモラ大会は、F1同様天候を理由に中止となり、第6戦が伝統あるモナコの市街地コースで行われた。5月25日(木)にフリープラクティスが行われ、ホンダ・フォーミュラドリーム・プロジェクト(のドライバーとして参戦する岩佐歩夢は、トップタイムをマーク。好調さを示す幸先のよいスタートを切った。
26日(金)には予選が行われ、16分間の予選をB組(奇数ゼッケン)で走行した岩佐歩夢は、2回目のアタックでバリアに左フロントをヒットさせてタイムロス。ステアリングにダメージを負ったまま最終アタックに挑み、途中まで自己ベストを刻むものの赤旗で中断され、フラストレーションの溜まる予選となった。B組5番手となった岩佐歩夢は、全体では9番手のポジションとなり、スプリントレースではフロントロー、2番手からのスタートとなった。午後2時20分、気温25℃、路面温度48℃のコンディションでフォーメーションラップがスタート。好スタートを切った岩佐歩夢だったが、ポールシッターも同様にダッシュを決め、岩佐は2番手で第1コーナーを通過しポジションをキープした。2周目にはシケインで数台が絡むアクシデントが発生し、セーフティカーが導入。レースは6周目に再スタートが切られ、リスタートでトップの背後についた岩佐は、トラブルでペースの落ちたトップを第1コーナー手前でパスし首位に立った。岩佐歩夢はタイヤマネージメントを行いながら、2番手との差をコントロールしながらトップで周回を重ねる。レース中盤、2番手がプッシュして1秒以内に迫る場面もあったが、岩佐は安定した走りで1秒前後の差を保ち、レースは終盤戦に入った。22周目、後方でアクシデントが発生し2回目のセーフティカーが導入。25周目の再スタートで絶妙のタイミングでダッシュを決めた岩佐は、2番手との差を広げてトップを守り、その後もハイペースで後続との差を広げていく。トップでチェッカーフラッグを受けた岩佐は2番手に6.6秒もの大差をつけ、独走状態で今季3勝目を挙げた。スプリントレースの優勝により10ポイントを加算し、この時点で再びシリーズランキング首位を取り戻した。「優勝という結果を残せたことはよかったですし、ペースがしっかりあることが確認できたことやタイヤマネージメントがうまくいったことなど、内容的にもとてもポジティブな状況であることがよいことだと思います」と岩佐歩夢はコメント。レース終盤にはファステストラップをとりにいくことも考えましたが、しっかり勝利を獲得することを優先させました。自分としては、予選でのミスに対して(優勝は)最低限のリカバリーであり、(これだけのペースがあるのだから)かえってミスした悔しさが大きくなっています」「フィーチャーレースは9番手からのスタートで難しいレースになるとは思いますが、今日のレースで多くのデータも得られましたし、なにより速いペースがあることも確認できたので、しっかり準備し、やるべきことをちゃんとやって順位を上げていきたいと思います」