ジョージ・ラッセル(メルセデス)が2026年F1第8戦オーストリアGPでポール・トゥ・ウインを達成し、開幕戦オーストラリアGP以来となる今季2勝目を挙げた。終盤にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が猛追を見せたものの逆転には届かず、キミ・アントネッリ(メルセデス)が3位に入り、メルセデスはダブル表彰台を獲得した。
レースは気温35度を超える厳しいコンディションの中で行われ、戦略が大きく勝敗を左右した。フェラーリ勢はレース終盤に順位を落とし、レーシングブルズはリアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドがダブル入賞を達成。一方でキャデラックは2台ともブレーキトラブルでリタイアするなど、各所で明暗が分かれる71周となった。■ スタート ラッセルが首位死守 ハミルトンが2番手へ浮上ポールポジションのジョージ・ラッセルは好スタートを決めてトップを維持。4番手スタートのキミ・アントネッリはターン1でコースを外れ、さらにターン3でもワイドラインとなって後退した。その隙を突いたルイス・ハミルトンがシャルル・ルクレールをかわして2番手へ浮上し、フェルスタッペン、ルクレール、アントネッリが続く展開となった。■ 序盤はハミルトン対フェルスタッペンの激戦ラッセルがリードを広げる一方、2番手ではハミルトンとフェルスタッペンが激しい攻防を展開。ターン3からターン7にかけて何度もポジションを入れ替える接近戦となり、一時は接触寸前のバトルも繰り広げられた。最終的にフェルスタッペンが2番手を奪取したが、その間にラッセルは約6秒のリードを築いた。■ キャデラック勢が相次いでリタイア7周目までにバルテリ・ボッタス、続いてセルジオ・ペレスが相次いでマシンを止めた。チームはブレーキのオーバーヒートが原因だったと説明し、キャデラックは2台とも序盤で姿を消す厳しい展開となった。■ アントネッリが反撃開始 ルクレール攻略へ序盤のミスで順位を落としたアントネッリだったが、徐々にペースを取り戻してルクレールにプレッシャーをかける。8周目に4番手へ浮上すると、その後はフェルスタッペン追撃へ向けてハイペースを維持した。■ フェラーリが先に動く ハミルトンは3ストップ戦略へ13周目、ハミルトンが上位勢で最初にピットインしハードタイヤへ交換。フェラーリは積極的な3ストップ戦略を選択し、ライバルより早いタイミングで勝負を仕掛けた。一方、ラッセルやフェルスタッペンはステイアウトを続けた。■ 20周前後から本格的な戦略戦 ラッセルとフェルスタッペンが交換19周目にフェルスタッペン、20周目にラッセルがピットインしてハードタイヤへ交換。アントネッリはステイアウトを選択して一時トップに立ち、レッドブル、メルセデス、フェラーリで異なる戦略が展開された。■ VSC発生 サインツのリタイアで流れが変わる24周目、カルロス・サインツJr.が電気系トラブルとみられるマシントラブルでコース上にストップし、バーチャル・セーフティカーが導入された。直前にピットへ入っていたアントネッリはVSCの恩恵を受けられず、大きく順位を落とす不運に見舞われた。■ 中盤はラッセル対フェルスタッペンの一騎打ち30周を過ぎるとラッセルが約5秒のリードを保ちながらレースをコントロール。フェルスタッペンは少しずつ差を縮め、終盤へ向けてプレッシャーを強めた。一方のアントネッリは3番手を維持しながら前との差を詰める展開となった。■ フェラーリ失速 ピアストリとハミルトンがルクレールを攻略37周目、タイヤの限界を迎えたルクレールをピアストリがターン3でオーバーテイク。両車は軽く接触しながらも順位は入れ替わり、その直後にはハミルトンもルクレールを抜いて5番手へ浮上。フェラーリはレースペース不足が鮮明となった。■ 最後のピットストップ 勝負は最終スティントへ44周目にラッセルが2回目のピットイン。フェルスタッペンはステイアウトを続けて首位に立ち、タイヤオフセットを活用する作戦を選択した。50周目にフェルスタッペン、52周目にアントネッリが最後のタイヤ交換を終え、勝負はラスト約20周へ持ち込まれた。■ ストロールもリタイア ラッセルにフェルスタッペンが迫る49周目にはランス・ストロールがERSトラブルでリタイア。その頃にはラッセルが首位へ復帰していたが、フェルスタッペンは新品タイヤの速さを生かして1周ごとに差を縮め、終盤には2秒前後まで接近した。■ アントネッリも加わり三つ巴の優勝争い残り10周を切るとアントネッリもフェルスタッペンとの差を急速に縮め、2位争いはもちろん、ラッセルを含めた3台による優勝争いへ発展。フェルスタッペンは前方の周回遅れを利用してラッセルとの差を縮めたが、決定的なアタックには持ち込めなかった。■ ラッセルが逃げ切り今季2勝目 レーシングブルズはダブル入賞ラッセルは最後まで冷静にレースをまとめ、フェルスタッペンに1.611秒差をつけてチェッカー。フェルスタッペンが2位、アントネッリが0.375秒差の3位となり、メルセデスは1-3フィニッシュを達成した。レーシングブルズはリアム・ローソン9位、アービッド・リンドブラッド10位でダブル入賞を果たした。