電気自動車のレースシリーズ、フォーミュラE選手権の第6戦がウルグアイのプンタ デル エステで開催され、昨年のチャンピオン、ルーカス・ディ・グラッシが2位でフィニッシュして今季初の表彰台を獲得した。Team Audi Sport ABT Schaeffler(チーム アウディ スポーツ アプト シェフラー)のブラジル人ドライバー、ルーカス・ディ・グラッシは、シーズン最速となるこの高速サーキットで、素晴らしいパフォーマンスを発揮した。
Audi e-tron FE04を駆るルーカス・ディ・グラッシは、午前中の練習走行では最速タイムで周回し、2番手のマシンに0.25秒の差をつけていた。さらに、上位5台で争われる最終予選の“スーパーポール”では、ファステストラップを記録した。しかし、トラックリミット違反によるペナルティが科されたことにより、ポールポジションからレースをスタートさせたのは5番手タイムを出したジャン・エリック・ベルニュ(テチーター)だった。その件についてルーカス・ディ・グラッシは「すべてのドライバーがシケインでボラードに接触していましたので、私としては、ファステストラップを出したドライバーのタイムを抹消するのは正しくないと思っています。ドライバーのブリーフィングで誤解が生じていました。練習走行と予選では、トラックリミットに対する扱いが異なっていたのです。それによって、追い越しが非常に難しいこのサーキットで、ポールポジションからではなく、グリッドの路面が荒れている側の2番グリッドからスタートしなければなりませんでした」とコメント。ルーカス・ディ・グラッシは、レースの最初から最後まで、ポイントリーダーのベルニュと激しいバトルを演じ、何度もオーバーテイクを試みたが、抜くことはできなかった。「私のマシンの方が速かったのですが、ジャンのディフェンスは完璧でした。今日は合計28ポイントを獲得できる可能性があったのですが、結果的には18ポイントとなりました。しかし、マシンは圧倒的に速く、信頼性もありましたので、シーズン後半に期待しています」とルーカス・ディ・グラッシは語った。前回のメキシコラウンドで優勝したダニエル・アプトは、不運に見舞われた。アプトは5番グリッドからスタートして、レース前半は3番手を走行していた。しかし、マシンを交換した後にシートベルトのロックが外れてしまい、アプトは2度目のピットストップを強いられる。14位でフィニッシュしたダニエル・アプトは「なぜこのようなことが起こったのか、原因を究明する必要があります。シートベルトは確かに締まっていましたが、2周後に突然外れてしまったのです」と述べた。チーム代表のアラン・マクニッシュは「ダニエルのシートベルトに発生した問題で、ダブル表彰台を逃すことになり、大変に残念です。しかし、明るい面に目を向ければ、マシンが2台とも完走し、ルーカスは前回のメキシコラウンドでの初ポイントに続いて、今回は今季初の表彰台を獲得することができました。彼は、ベルニュと優勝をかけた壮絶なバトルを演じ、オープニングラップから最終ラップまでエキサイティングな戦いを繰り広げました。もう少しで抜けそうなポイントはあったのですが、ジャンも力強い走りを見せてトップの座を守りました」とコメント。アウディ モータースポーツ代表のディーター・ガスは「2台の優勝争いは、接戦となりました。ルーカスは何度も仕掛けましたが、ベルニュを捉えることはできませんでした。今日の彼には、ダニエルようにファンブーストが必要でした。もっと上位でフィニッシュできる可能性もありましたが、今週末の結果には満足しています。マシンの信頼性を示すこともできました。今後のシーズンに向けて、ポジティブな気持ちでレースに臨むことができます」と述べた。2017/2018シーズン初のヨーロッパ開催となる第7戦は、4月14日にイタリアのローマで開催されるう。シーズン前半が終了した時点で、ダニエル・アプトはドライバーランキング7位、ルーカス・ディ・グラッシはランキング10位に浮上した。チームランキングでは、Audi Sport ABT Schaefflerは6位となっている。
全文を読む