アストンマーティンF1は、F1ハンガリーGPで投入した大規模アップグレード仕様「AMR26B」のスペアパーツを英国シルバーストンのファクトリーからハンガロリンクへ緊急空輸している。ランス・ストロールはFP1で左リアサスペンションが破損した影響でFP2を走行できなかったが、チームは予選までに修復を完了させる見込みだ。
今季最大規模となる16項目のアップグレードを夏休み前最後のレースに間に合わせたアストンマーティンF1は、開発を優先したことで十分なスペアパーツを現地へ持ち込めておらず、急きょファクトリーから部品を取り寄せる対応を迫られた。スペア不足でFP2の修復が間に合わずストロールはFP1開始から40分足らずで左リアサスペンションが破損し、ターン3進入でスピンを喫して走行を終了した。チーム代表を務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、故障原因がサスペンションだったことを認める一方、アロンソ車には同じ問題が起きる心配はないと判断していたと説明した。「だからフェルナンドはそのまま走行を続け、FP2にも出走することができた。しかし、スペアパーツが不足していたため、残念ながらランスのマシンを2回目のセッションまでに修復することはできなかった」さらにデ・ラ・ロサは、必要な部品の一部は現地で確保し、不足分はシルバーストンから空輸していることを明かした。「現地にある部品と、ファクトリーから空輸している部品を組み合わせて修復することになる」また、新仕様マシンはセットアップだけでなくドライバーも順応する時間が必要だとし、「ランスは新しいクルマの感覚をつかむための貴重な走行時間を失ってしまった。セットアップだけでなく、ドライバー自身もこのクルマに適応しなければならない」と語った。ストロール「このアップグレードだけですべては変わらない」アップグレード投入を前に、ストロールはチーム全体が大きな期待を寄せていることを明かしていた。「みんなワクワクしている。この週末をしばらく前から待ち続けてきた。いい結果になってくれることを願っている」一方で、今回のアップグレードがどれほど効果を発揮するかは実際に走ってみなければ分からないという。「このパッケージが何をもたらしてくれるのか見てみよう。明日走れば、僕たちの期待どおりなのか、それ以上なのか、それとも期待ほどではないのか、多くの答えが分かると思う」ただし、このアップグレードだけですべての課題が解決するとは考えていない。「もちろん、このアップグレードだけで僕たちが望んでいるものすべてを手に入れられるわけではない。シーズンはまだ長いし、これからもできる限りパフォーマンスを積み重ねていかなければならない」また、今回のアップデートは主にシャシー側の改善であり、パワーユニットの性能向上も不可欠だと強調した。「ストレートでパワーが足りないことは分かっている。だからエンジンの性能向上も必要だ」夏休み明けのオランダGPで投入予定のホンダの新型パワーユニットについては、「ザントフォールトで少し改善される予定だ」と期待を寄せつつも、現時点ではトップ勢との差を一気に埋めるものではないとの見方を示した。「それだけでメルセデスと戦えるようになるわけではない。今の時点でメルセデスとレッドブルのどちらのエンジンが一番いいのかは分からないけれど、少なくとも僕たちとの差を縮めることが重要なんだ」最後に、アップグレードによって目指すべき位置について問われると、ストロールは率直にこう語った。「そうなってくれることを願っている。少なくとも中団チームと戦えるようになりたい」アロンソもAMR26Bに手応え一方、フェルナンド・アロンソもAMR26Bを高く評価している。「クルマは格段に良くなった。路面に吸い付くような感覚があって、以前よりはるかに予測しやすく、運転しやすい」さらに、新パッケージが開発段階で予測していた効果を実車でも確認できたことを収穫に挙げた。「全体的に、数値も相関関係も僕たちが期待していたとおりだった。それは来年のマシンや今後投入するアップグレードに向けても非常に励みになる」一方で、「まだシャシーとエンジンの両方で改善すべき点は残っている」としながらも、「これは今後につながる多くの前進の第一歩になることを願っている」と前向きな見通しを語った。ストロールはFP2の走行機会を失ったものの、アストンマーティンF1はシルバーストンからスペアパーツを緊急空輸して対応を進めている。大規模アップグレードを施したAMR26Bが、予選以降どこまで中団争いへ食い込めるか注目される。