アストンマーティンF1が今季後半に投入を予定している大型アップデートについて、BBCスポーツのF1担当記者アンドリュー・ベンソンが厳しい見方を示した。ベンソンは、仮にアップデートが大成功を収めたとしても、チームは中団下位グループに加わる程度にとどまる可能性が高いと分析している。2026年シーズンのアストンマーティンはここまでわずか1ポイント獲得に留まり、コンストラクターズランキング最下位に沈んでいる。
開幕前にはエイドリアン・ニューウェイとホンダのタッグに大きな期待が寄せられていたが、現実は厳しいものとなっている。ベルギーGPで大型アップデート投入へBBCのQ&Aコーナーでベンソンは、アストンマーティンがここまで大きなパフォーマンスアップデートを投入していない理由を説明した。「彼らが後退しているのは、他チームがアップデートを投入している一方で、アストンマーティンがほとんどパフォーマンス向上パーツを投入していないからだ」「これはコストキャップ下でリソースを有効活用するため、小規模なアップデートを繰り返すのではなく、大型アップデートを一度に投入する方針を選んだからだ」ベンソンによると、その大型アップデートはベルギーGP前後で投入される見込みだという。アストンマーティンはエイドリアン・ニューウェイ主導のもと、今季序盤から開発リソースを集中投入してきたとみられている。ホンダPU改良は夏休み明けかベンソンはさらに、ホンダが進めるパワーユニット改良についても言及した。それによると、新たなPUアップデートはベルギーGPには間に合わず、夏休み明けのオランダGPで投入される可能性が高いという。つまりアストンマーティンはまず空力面の大型アップデートを投入し、その後にパワーユニット改良を組み合わせる形になる見通しだ。「2秒速くなっても中団下位」しかしベンソンは、その大型アップデートに過度な期待を抱くべきではないと警告している。「アストンマーティンの問題は、仮にその空力アップデートによって1周あたり2秒速くなったとしても、それは驚異的な改善だが、到達できるのはレーシングブルズやアウディのレベルだということだ」さらにベンソンは、そうなったとしても現在の状況よりは大幅な前進だとしながらも、本来チームが目指している位置とは大きな差が残ると指摘した。「それは少なくとも今のような状況よりは尊敬に値する位置だ。しかし彼らが本当に目指している場所とは、まだ大きな隔たりがある」チーム内部も課題の深さを認識アストンマーティン内部でも、単純なアップデートだけで状況が好転するとは考えていない。フェルナンド・アロンソはバルセロナ・カタルーニャGPで「僕たちはエンジンが悪い。おそらく最悪だ。空力も良くないし、エネルギーマネジメントも良くない」と厳しい現状認識を示した。これに対し、トラックサイド責任者のマイク・クラックは問題をパワーユニット単体には限定していない。「ドライバビリティ、シフトチェンジ、パワートレイン全体の反応、エネルギーマネジメントなど、まだ改善しなければならない部分がある」「少しパワーやダウンフォースを増やしただけでは解決しない問題も残っている」クラックは現在のAMR26について、ハードウェアそのものよりも車両全体の統合や最適化に課題があるとの見方を示している。大型アップデートはアストンマーティンにとって今季最大の反攻策となる。しかしBBCのベンソンは、その効果を楽観視しておらず、たとえ成功したとしても中団下位グループへの浮上が現実的な目標だと分析する。チーム内部からも根本的な改善の必要性が指摘されており、ベルギーGP以降に投入される新パッケージがどこまで状況を変えられるか注目される。