アストンマーティンとホンダは、2026年F1シーズン序盤で深刻な苦戦を強いられている。だが、ライバル陣営であるメルセデスF1は、その現状を決して額面通りには受け取っていない。メルセデスの首脳陣は、エイドリアン・ニューウェイとホンダという組み合わせを“過小評価すべきではない存在”として警戒しており、2027年のレギュレーション変更が勢力図を大きく塗り替える可能性があると見ている。
今季のアストンマーティンは、AMR26の競争力不足とホンダ製パワーユニットの信頼性問題に苦しみ、開幕から下位に低迷。マイアミGPでは一定の改善を見せたものの、依然としてグリッド後方から抜け出せていない。その状況を受け、一部ではエイドリアン・ニューウェイのチーム代表就任そのものに疑問の声も上がっている。しかし、メルセデスF1副代表のブラッドリー・ロードは、独メディア『Champ1』の取材に対し、アストンマーティンとホンダを“見限る”考えはまったくないと語った。メルセデスF1はアストンマーティンとホンダを“過小評価せず”「本当に苦しい状況になったときこそ、そのチームの強さが見えるものだ」ブラッドリー・ロードはそう語り、困難な状況でチームがどのように結束し、立て直していくかが重要だと強調した。「我々は彼らをまったく過小評価していないし、見限ってもいない。ただ、彼らの前には非常に大きな仕事が待っているのは明らかだ」「だが、エイドリアン・ニューウェイを擁し、アストンマーティンの資金力と野心があり、さらにホンダのようなエンジンメーカー兼パートナーの技術力があるチームは、必ず戻ってきて戦うようになる。問題は、それがいつになるかだけだ」さらにロードは、2027年に導入される可能性がある新レギュレーションが、アストンマーティンとホンダにとって特に大きな転機になる可能性を示唆した。「F1では、チームは1年で大きく変わることがある。特に2027年に新しいレギュレーションが導入されればなおさらだ」「だからこそ、彼らを見くびるのは最大の間違いになる」「我々はアストンマーティンが持っている力と、この数年で見せてきたものに大きな敬意を抱いている。今年後半なのか、来年なのかは分からないが、彼らは必ず強くなって戻ってくると考えている」ホンダ支援問題と2027年への視線現在のF1パドックでは、ホンダに対する“ADOU支援パッケージ”も大きな議論になっている。F1チーム側は、ホンダがプロジェクト撤退を避けられるよう、総額1400万ポンド規模の技術支援を行う方向で調整を進めていると報じられている。一方で、その支援策が将来的にアストンマーティンとホンダの競争力向上につながり、自らのライバルを強化する結果になるのではないかとの懸念も存在する。実際、レッドブル時代のホンダが、マクラーレンとの苦戦を経て王者争いを演じるまでに成長した前例は、F1関係者の間でも強く意識されている。アストンマーティンは現在、7月のベルギーGP投入を目指してAMR26の大規模アップデートを進めている。エイドリアン・ニューウェイ主導による全面的な見直しが成功すれば、2026年後半戦から勢力図が変化し始める可能性もある。【関連】・ホンダのF1継続に暗雲 経営悪化とV8回帰論がアストンマーティン計画を直撃