アストンマーティンのトラックサイド責任者を務めるマイク・クラックは、バーレーンでのプレシーズンテストを経て、AMR26の問題は特定の一分野に限定されるものではないと認めた。アストンマーティンはバルセロナでのテスト終盤にようやく走行を開始し、その後のバーレーンでも信頼性トラブルに見舞われるなど、厳しいプレシーズンを過ごした。2026年F1シーズン開幕を前に、チームは明らかに出遅れた状態にある。
400周止まりのテスト走行 距離不足が浮き彫りにバーレーンテストでは継続的なトラブルが発生し、十分な周回数を重ねることができなかった。3回のプレシーズンテストを終えた時点で、アストンマーティンの総走行距離は400周にとどまった。これはバルセロナを欠席したウィリアムズの790周、参戦初年度のキャデラックの750周を大きく下回る数字である。さらにパワーユニットの観点から見ても状況は厳しい。ホンダ製パワーユニットを使用するのはアストンマーティンのみであり、400周という数字はメルセデス系(4チーム)の10%未満、フェラーリ系(3チーム)の13%、レッドブル・パワートレインズ(2チーム)の20%、アウディ(1チーム)の40%に過ぎない。十分な走行距離を確保できなかったことで、パフォーマンス追求や最適化に取り組む段階にはまだ至っていないのが実情だ。クラック「我々は他と同じレベルにない」水曜日の記者会見で、クラックは現状を率直に認めた。「それは妥当な判断だと思う」新たなパワーユニットパートナーとの“成長痛”の時期にあるのかと問われ、そう答えた。アストンマーティンは17年間使用してきたメルセデス製パワーユニットとギアボックスから決別し、ホンダとの提携を開始。さらに初めて自社製ギアボックスを製作している。「信頼性が必要だ。とにかくタイヤを回し続けなければならない。しかし我々は望んだほど走らせることができなかった」「1周ごとに学ぶことがある。走れなければ、その分だけ遅れを取る。素晴らしいスタートではない」「我々にはやるべき仕事があることを認識している。他のチームがいるレベルに、我々はいない」「すべてが新しい。ホンダとのパートナーシップ、ギアボックス、リアサスペンション。大きな作業だ」「これが初期トラブルであることを願っている。しかしスタートが難しくても、やるべき仕事が減るわけではないし、気を緩めることもできない」「問題を見つめ、一つひとつ解決していくしかない」問題はPUだけではないホンダ製パワーユニットの信頼性問題が目立つ一方で、クラックは問題がそれだけに限定されるものではないと強調した。「我々は出遅れていた。それはバルセロナで分かった。参加できたのは良かったが、準備は整っていなかった」「多くの小さな問題が走行を妨げている。それはクルマのあらゆる部分に及んでいる。新しい電子系、新しいパートナー、新しいギアボックス、新しいサスペンションだ」「一つの分野に限定できれば楽だが、そうではない」「最高の競争相手より3分の1の走行距離しかないのは現実だ。現実的に受け止め、追いつかなければならない。彼らは我々を待ってくれない」デ・ラ・ロサ「言い訳はしない」チーム広報のペドロ・デ・ラ・ロサも、状況を率直に認めている。「振り返れば簡単に言える。しかし“すべきだった”はモータースポーツでは通用しない」「もっと早く始めていれば、エイドリアン・ニューウェイが数カ月早く来ていれば、ホンダが一度離脱していなければ――そうした“もしも”はいくらでもある」「結論はシンプルだ。我々は遅い。望んでいる位置にいない」「何が問題かは正確に分かっている。それがある意味での自信につながっている」「来月かどうかは分からない。しかし徐々に、その差は縮まっていくはずだ」2026年F1レギュレーション初年度、アストンマーティンは明確なハンディキャップを背負ってシーズンを迎える。ただし、問題の所在を把握しているという自覚と、段階的に改善する姿勢がある限り、巻き返しの可能性は残されている。新体制、新パワーユニット、新ギアボックス。すべてを同時に刷新した代償は大きい。しかしその挑戦が実を結ぶかどうかは、ここからの数カ月にかかっている。
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