アストンマーティンF1のチーム代表マイク・クラックは、昨年の今頃と比べて順位が後退しているものの、チームの進歩について「ネガティブになる理由はない」と考えている。アストンマーティンは、2023年の開幕ダッシュで昨シーズンのサプライズパッケージとなったが、チームオーナーのローレンス・ストロールが今後数年にわたりチーム・シルバーストーンのタイトル候補にすべく多額の投資したものの、現在のところコンストラクターズランキング5位に後退している。
シルバーストーンに新しいファクトリーが建設され、稼働を開始し、ローレンス・ストロールが旧レーシング・ポイントを買収して以来、チームのスタッフ数が大幅に増加したことを受け、当時のチーム代表のオトマー・サフナウアーは、2021年のマシン発表の際、5年以内に世界選手権で優勝を狙えるチームになると述べていた。また、ホンダ・レーシングの渡辺康治社長は、最近のインタビューで、2026年シーズンにタイトル争いに加わるというストロールの野望に賛同している。ローレンス・ストロールとチームの投資家がインフラとチームの拡大に投資したことで、当初の目標は近づいているが、マイク・クラックは、チームのライバルのパフォーマンス次第で全体的な軌道は上下する可能性があると説明した。カナダでの5年間の期間について質問されたマイク・クラックは、現在のチームの立場を擁護し、2026年からのホンダと開始する将来のファクトリーパワーユニットパートナーシップを見据え、パフォーマンスが期待通りでなかったときに他者が「時に少し早計すぎる判断」をしている可能性があるという自身の信念を指摘した。しかし、昨シーズンの成功を受けて、アストンマーティン内での期待が高まったこともマイク・クラックは認める。アストンマーティン「F1の継続的な進歩のために計画は整っている」トップチームになるという究極の目標を思い出した上で、アストンマーティンがライバルたちと比べて現在どの位置にいるのか“心配”しているかとの質問に「昨年の今頃は、計画よりかなり進んでいると言っていたが、今は計画よりかなり遅れている。したがって、視野を広くして、チームとして進歩があるのかを本当に見なければならないと思う」とクラックは答えた。「昨年は、我々が考えていたよりも明らかに良かったと思う。私は常に、上昇軌道に乗れば、競合他社の動向に応じて上昇したり下降したりするが、目標を見失わないようにしなければならないと言ってきた」「そして、最終的には、シーズンごとの成績だけでなく、レースごとの成績も評価する」「だから、チームのパフォーマンスやアップグレードのパフォーマンス、あるいは車全体のパフォーマンス、特にドライバーのパフォーマンスについて、我々は時々少し早急に判断しすぎている」「今、トレンドを見ると、ポジティブにとらえることも、ネガティブにとらえることもできる。株式市場と同じだ」「だから、私たちは計画を立てている。インフラの観点からチームを発展させている」「私たちの展開の仕方からすれば、ホンダという素晴らしいパートナーがいて、アラムコという素晴らしいパートナーがいる。だから、悲観する必要はないと思う」「私がいつも言っているように、そのような計画を立てる際には慎重になる必要があることを思い出してほしい」「進歩は常に直線的ではないし、また、トップに近づくほど、状況は厳しくなる」「言い訳ではない。我々はチームなのだから、それでいい。正直に言えば、このような声明を発表するなら、このような質問には直面しなければならない」「総合的に見て、私はチームの成長に満足していると思う。また、チームの成長には、より困難な時期も経験しなければならない。昨年の影響もあり、今年は期待レベルがはるかに高くなっているが、これも乗り越えなければならないことだ」