アストンマーティンF1のチーム代表を務めるオトマー・アフナウアーは、2021年の空力ルール変更の背景にある意図を事後的に疑問視しており、それらを調整して“公平”にする必要があると主張して金曜日のイモラのパドックに論争を巻き起こしている。FIA(国際自動車連盟)は、昨シーズンにピレリのF1タイヤに発生したいくつかの故障を受け、タイヤの安全性を保護することを目的としてダウンフォースレベルを下げるために2021年に空力ルールにいくつかの変更を導入した。
新型コロナウイルスの影響を考慮して基本的にシャシーの開発が凍結される中、F1チームは、ブレーキダクト、バージボード、さらに重要なことにサイズとプロファイルが縮小されたフロアの設計に変更を加えることを余儀なくされたプレシーズンテストと先月のF1バーレーンGPでは、この空力ルール変更が、“ローレーキ”コンセプトを採用しているチーム、つまり、メルセデスとアストンマーティンに悪影響を及ぼしていることが明らかになった。対照的にレッドブル RB16Bなど“ハイレーキ”のマシンはそれほど大きな影響は見られなかった。金曜日にオトマー・サフナウアーは Sky F1 の取材に対し、空力ルール変更の意図を公然と疑問視し、支配的なメルセデス、ひいては同じ設計コンセプトに依存するアストンマーティンを遅くするために意図的に行われたと示唆した。「意図を知るのは難しい。これはFIAにむけての質問だ」とオトマー・サフナウアーは語った。「安全上の理由から行われた規制の変更だが、この種のガバナンスはFIAのみに委ねられている」「正しいことは、FIAと話し合い、何が起こったのか、そして、その理由を正確に調べ、より公平にするためにできることがあるかどうかを確認することだと思う」「我々はチームとして、できる限りすべてを取り戻そうと努力しなければならないが、同時に、FIAと話し合って、もう少し公平にするために何かできるかどうかを確認する必要がある」オトマー・サフナウアーは、不正行為が疑われる場合、FIAに対する訴訟手続きも却下せず、そのような一連の行動はおそらくFIAとの話し合いの後に検討されるだろうと主張した。だが、変更に賛成票を投じていたにも関わらず、事後になって、疑問を呈するというアストンマーティンの姿勢には、仲間のチームはあまりいい印象を受けていない。メルセデスF1のチーム代表トト・ヴォルフは、空力ルール変更による悪影響を受けたにもかかわらず、シーズン途中のルール変更を却下している。「コメントをする前に全体像を把握する必要があるため、これは難しい問題だと思う」とトト・ヴォルフは語った。「この段階では、誰かに指を指すのは正しくことではないと思うので、当面は話したくはない」「シーズンのその段階で何かを求めることができるかわからないので、そのままにしておく必要があると思う」