F1は、アンドレッティが2025年から選手権に参戦するという入札を拒否。現状のマイケル・アンドレッティのチームには、11番目のグリッドを獲得する基準を満たしていないという結論に達した。昨年1月、マイケル・アンドレッティは、ゼネラルモーターズのキャデラックと組んでF1に参戦する計画を発表。3月にはFIA(国際自動車連盟)が新規参入F1チームの申請プロセスを正式に開始し、10月にアンドレッティの入札にゴーサインを出した。
次のプロセスとしてアンドレッティは、コンコルド協定に規定された新チームのプロセスの一環として、F1オーナーであるリバティ・メディアと商業契約を結ぶ必要があった。11月にはゼネラルモーターズ(GM)が、2028年シーズンからF1エンジンメーカーとなるために登録した。キャデラックがアンドレッティに供給するための独自のF1パワーユニットを開発すると発表した。しかし、既存FF1チームは、チームが1つ増えることで賞金総額が減少することを懸念して反対しており、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリも乗り気ではなかった。そして、1月31日にFOM(フォーミュラワン・マネジメント)は声明を発表し、アンドレッティの2025年のF1参戦を拒否することを発表。ただし、2028年にGMのワークスチーム、もしくはカスタマーチームとして参戦する場合には参戦を許可する可能性を残した。以下が声明の全文である。商業評価プロセスの概要と結論2024年1月はじめに1. 2023年3月22日、FIAはFIAフォーミュラ1世界選手権(以下、選手権)への参加を申請するためのインビテーション(以下、インビテーション)を公表し、アンドレッティ フォーミュラ レーシング LLC (以下、申請者)を含む4つの申請者がこれに応じた。FIAは、書面による質問と回答、および直接の面談を含む最初の審査プロセスを実施した。2. FIAは2023年10月2日、申請者から提出された申請書(以下、申請書)がすべての重要な点においてFIAの選考基準を満たしていることに満足し、それに応じて申請者がインビテーションに定められた合意されたプロセスの次の段階に進むべきであるとFIAが考えたことを発表した。インビテーションに規定されたプロセスでは、FIAと商業権所有者の双方が、新規参入者を選出するために、申請内容が適切であると判断しなければならないと規定されている。3. FIAは以前、インビテーションに応じて4つの申請者がそれぞれ提出した資料を我々に共有しており、我々はそれを調査していた。FIAの発表後、我々は2023年10月10日に申請者に対し、評価プロセス、我々が商業評価を行う際の考慮事項および意思決定プロセスの詳細を記した書面(以下、プロセスレター)を送付した。プロセスレターには、申請者に対する質問のリストが含まれており、申請者は2023年10月24日に回答を提出した。4. 申請者の回答と我々自身の検討結果を合わせて検討する機会を得た後、我々は2023年12月12日に申請者に書簡を送り、申請者が申請書を提示するために我々のオフィスで直接面談を行うよう招待したが、申請者はこの申し出に応じなかった。5. 本書は、我々の審査プロセスおよびそこから生じた主要な結論を要約したものである。レビュープロセス6. プロセスレターにあるように、我々は、ファンへの価値、スポーツの名声と評判の価値、選手権の競争バランス、スポーツの持続可能性の目標など、幅広い価値の提供方法を考慮した。主な検討項目は以下の通りである:a. 申請者のエントリーの競争力、および価値に及ぼす影響の検討;b. パワーユニットの供給に関する申請者の取り決めと、それらの取り決めが申請者の競技成績に与える影響の検討;c. 申請者に代わってC|Tグループが作成した同等の資料のレビューと同様に、申請者がファンの成長、ファンの関与の面でもたらす可能性のある利益のポテンシャルに関する調査;d. 主要な利害関係者との協議により、申請者がもたらす価値についての見解を理解する;e. 11番目のチームを加えることによる、既存のサーキットへの業務上の影響の検討;f. 価値の指標として、申請者の参入が商業権所有者の業績に与える可能性のある影響の検討;g. 提供された資料に基づく申請者の財政的持続可能性の検討。7. 我々の評価には、現在のF1チームとの協議は含まれていない。しかし、選手権の最善の利益を考慮する上で、11番目のチームの参入が選手権のすべての商業的利害関係者に与える影響を考慮した。概要8. 我々の評価プロセスでは、11番目のチームの存在自体が選手権に価値をもたらすものではないことが立証された。9. 11番目のチームは、その参加と関与が選手権に利益をもたらすことを示さなければならない。新規参入チームが価値をもたらす最も重要な方法は、競争力、特に表彰台やレース勝利を争うことである。これはファンエンゲージメントを実質的に増加させ、放送局やレースプロモーターといった主要なステークホルダーや収入源から見た選手権の価値をも高めることになる。10. 申請書では、当初はPU供給を含まないゼネラルモーターズ(GM)との提携を想定しており、やがてPUサプライヤーとしてGMと完全なパートナーシップを結ぶことを念頭においているが、これは何年か先の話である。 当初からGMのPU供給を受けていれば、申請書の信頼性も高まっただろう、 しかし、新規参入のPUサプライヤーとパートナーシップを組む初心者のコンストラクターは、乗り越えなければならない大きな課題を抱えることになる。過去数十年間における新規コンストラクターの設立の試みのほとんどは成功していない。11. 2025年は現在の規制サイクルの最終年であり、2026年はその次のサイクルの初年度となる。そのため、前のサイクルとはまったく異なる車両が必要となる。申請者は、初心者のコンストラクターとして、2025年レギュレーションで車両を設計・製造し、その翌年に2026年レギュレーションで全く異なる車両を設計・製造することを提案している。さらに、申請者はライバルのPUメーカーからの強制供給に依存してこれを試みることを提案しているが、ライバルのPUメーカーは、申請者との協業を必要最低限以上に拡大することを避けざるを得ない。申請者が長期的にPUサプライヤーとしてGMと協業するという野心を追求する一方で、強制的なPUサプライヤーは、その知的財産とノウハウに対するリスクと見なすだろう。12. 新規参入者が設立後2年間に全く異なる2つの自動車を製造することになることを考えると、2025年に新規申請者が認められる根拠はないと考える。申請者がそうすることを提案しているという事実は、...
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