イタリアの高級ファッションブランドであるグッチが、2027年からF1に本格参入する。The Raceによると、アルピーヌF1チームとの新たなタイトルスポンサー契約は、総額2億ドル(約300億円)規模に達する可能性があるという。グッチは現在のBWTに代わってアルピーヌF1チームのタイトルスポンサーとなり、チーム名は「グッチ・レーシング・アルピーヌF1チーム」に変更される予定だ。
F1チームのタイトルスポンサーをラグジュアリーファッションブランドが務めるのは史上初となる。年間90億円規模とも報じられる大型契約The Raceによると、正式発表では契約金額は明かされていないものの、契約規模は年間5000万〜6000万ドル(約75億〜90億円)と見積もられている。契約期間は最低3年間とされ、さらにアルピーヌの成績に応じたボーナス条項も含まれているとみられており、総額は2億ドル(約300億円)規模に達する可能性がある。これは単なるスポンサー契約ではなく、グッチにとってF1を軸にした新たなブランド戦略の一環と位置づけられている。“Gucci Racing”始動 ブラック&ゴールドのF1マシンへグッチは今回の提携を通じて、「Gucci Racing」という新たなブランドプラットフォームを始動する。公開された新ロゴは、グッチの象徴であるインターロッキングGと「Gucci Racing」のワードマークを組み合わせたものとなっており、2027年型アルピーヌF1マシンではブラック&ゴールドを基調としたカラーリングが採用される見込みだ。The Raceは、グッチ側が「可能な限り多く」の広告スペースをマシン上に確保したい意向を持っていると報じている。一方でアルピーヌ側は、自社ブランドカラーであるブルーも一定程度残したい考えだという。パドックウェアだけでなく機能製品も展開へグッチはパドック向けアパレルだけでなく、メカニックやドライバー向けのパフォーマンス製品もデザインする計画だとされる。これまで高級ブランドとF1の提携は数多く存在してきたが、多くは限定コレクションやライフスタイル展開が中心だった。今回のグッチは、現場機能やチームオペレーションにまで踏み込む点で異例のプロジェクトとなる。F1人気拡大がグッチ参入を後押しグッチがこのタイミングでF1参入を決断した背景には、F1そのものの市場拡大がある。世界的な人気上昇に加え、若年層や女性ファンが急増していることを、グッチは重要視している。グッチの社長兼CEOであるフランチェスカ・ベルッティーニは、「これはブランドに対する我々の野心と、この舞台でグッチが果たしたい役割を反映している」とコメント。「F1は現在、パフォーマンス、カルチャー、そしてグローバルな影響力が交差する独自の場であり、アルピーヌはこのビジョンを実現するための理想的なパートナーだ」と語った。ブリアトーレが再び“ファッション×F1”を主導今回の契約を主導したのは、アルピーヌF1チームのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレだった。ブリアトーレは1990年代前半、ファッションブランド「ベネトン」をF1タイトル獲得へ導いた人物として知られている。現在、旧ルノーCEOのルカ・デメオが、グッチを傘下に持つケリングのCEOを務めていることも、今回の大型契約を後押しした。ブリアトーレは「エンストンのチームには、他とは違うことをしてきた歴史がある」と述べ、「ファッションがF1で勝てることを、我々は以前にも示してきた」と語っている。