ブルーノ・ファミンのルノー・グループ離脱が明らかになり、アルピーヌを取り巻く体制再編が新たな段階に入った。フランス紙の報道によれば、これはアルピーヌのモータースポーツ活動における「大規模な再編」の一環とされており、ルノーがトップレベルのモータースポーツから距離を置きつつある流れを改めて印象づけている。そのタイミングは、アルピーヌの株式売却を巡る観測が強まる中で訪れた。
すでにルノーはF1エンジンプログラムの終了を決め、耐久レース活動も縮小に向かっており、今回のファミン退任は、そうした方針転換を象徴する動きとして受け止められている。ファミン退任で進むアルピーヌ再編報道によると、ブルーノ・ファミンはルノー・グループを正式に離れた。これはアルピーヌのスポーツ活動における「深い再編」の新たな段階と位置づけられている。ファミンはF1チーム代表を務めた後、F1チームを離れ、2023年から再びモータースポーツ部門の責任者としての役割に戻っていた。しかし今回の離脱によって、アルピーヌ内部の権限構造や競技部門の方向性が、さらに変化していることが鮮明になった。ルノーは直接競争から後退へルノーはすでにF1の自社エンジンプログラムを終了させており、耐久レース活動についても縮小を進めている。さらにモータースポーツ全体の戦略見直しも進めており、一連の動きは、メーカーとして前面に立って戦う体制から徐々に軸足を移しつつあることを示している。ファミンの退任は、その流れの中で起きた出来事であり、アルピーヌが今後どのような形で競技活動を続けるのかを占ううえでも象徴的な人事となった。株式売却話と重なるタイミング今回の動きが注目されるのは、アルピーヌ株式を巡る売却話と時期が重なっているためだ。アルピーヌのアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレは先日、オトロ・キャピタルが保有する24%の株式について、複数の関係者が取得候補として浮上していることを認めていた。この持ち分には、メルセデスやクリスチャン・ホーナーと関係するグループの名が取り沙汰されているほか、F1の既存勢力の外から新たな関心が出ている可能性もあるとみられている。中国メーカー参入観測も浮上その候補のひとつとして名前が挙がっているのが、中国の自動車大手BYDだとされる。BYDはトップレベルのモータースポーツ参入に向けた選択肢を検討しており、その中には既存のF1チーム取得も含まれていると理解されている。ただし、同社はこの件について公にはコメントしていない。それでも、中国メーカーのF1参入は、FIAが長く掲げてきたグローバルな競技拡大の方向性とも一致する。ジョージ・ラッセルは、中国ブランドのF1参入の可能性について問われると、「実現すれば良い追加要素になる可能性がある」と語った。「中国のファンは本当にF1を愛して受け入れているように感じるし、その勢いはどんどん強くなっている」とラッセルは述べた。ブリアトーレ復帰後に進んだ主導権移行アルピーヌにとって当面の状況は、明らかに移行局面にある。ファミンの退任は、フラビオ・ブリアトーレが2024年に影響力の強い立場へ戻って以降、ファミンの立場が徐々に後退していた流れに続くものでもある。ルノーのモータースポーツ活動縮小、株式売却を巡る協議、そして経営主導権の再編が重なる中で、アルピーヌは今、競技チームとしての将来像そのものを問われる局面に入っている。