アルピーヌF1は、ピエール・ガスリーのチームメイトとしてフランコ・コラピントを起用することを正式に発表した。次戦エミリア・ロマーニャGPから5戦にわたってジャック・ドゥーハンの代役を務める予定で、チームは今後の評価の一環としてこの「ローテーション起用」に踏み切った。この決定は、火曜日夜にチーム代表オリバー・オークスの電撃辞任が発表された直後に伝えられたもので、アルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレがオークスの業務を暫定的に引き継ぐ。
2024年アブダビGPで急遽デビューを果たしたドゥーハンは、今季からレースドライバーに昇格。だが、チームメイトのガスリーに対してパフォーマンス面で後れを取り、直近のマイアミGPでは1周目の接触によりリタイアしていた。コラピントは2024年にウィリアムズで9戦に出走し、アゼルバイジャンとアメリカ(オースティン)でポイントを獲得するなど印象的な活躍を見せていた。一方で、サンパウロとラスベガスではクラッシュも経験している。フランコ・コラピントは、2025年シーズンの次の5戦、エミリア・ロマーニャグランプリからアルピーヌでレースに出場する。アルピーヌは声明の中で次のように説明している。「現在進行中のドライバーラインアップ評価の一環として、BWTアルピーヌF1チームは、2025年FIA F1世界選手権の今後5戦において、レースシートの一つをローテーションすることを決定した」「したがって、フランコ・コラピントがエミリア・ロマーニャGPからピエール・ガスリーとペアを組むこととなり、7月のイギリスGP前に再評価を行う予定である。ジャック・ドゥーハンはこの期間中、ファーストチョイスのリザーブドライバーとしてチームに残る」ドゥーハンはこれまでに速さの片鱗を見せてきたが、開幕からの7戦では複数のミスも目立った。特に、マイアミでの接触のほか、鈴鹿ではDRSを閉じずにターン1へ進入し、激しいクラッシュを喫している。フラビオ・ブリアトーレは、2026年に向けてドライバーを「完全かつ公正」に評価するために、チームはドライバーのラインナップを「ローテーション」する必要がある、と述べた。一方、コラピントはこの復帰に向けて以下のようにコメントしている。「まず、次の5戦で競技の場を与えてくれたチームに感謝する。イモラ、そしてその後のトリプルヘッダーは激しく大きな挑戦になるが、しっかり準備を整えて臨むつもりだ」「シミュレーターやテストプログラムで常に鋭さを保ってきたので、すぐに感覚を掴めると確信している。ピエールと共にベストな結果を目指して全力を尽くす所存だ」一方、レースから一時離れることとなるドゥーハンは、次のように述べている。「F1ドライバーになるという人生の夢を叶えられたことを誇りに思う。そして、それを実現させてくれたチームには心から感謝している」「もちろん、プロのドライバーとして走れないのは辛い現実である。しかし、チームの信頼と将来へのビジョンは理解している。今は自分自身の目標を見据えながら、全力でサポートに努めていく」また、チームの意思決定を担う立場となったブリアトーレは、今回の交代について以下のように説明した。「シーズン序盤を振り返り、ピエールの隣にフランコを乗せる決断に至った」「現在のF1は極めて接戦であり、我々も昨年からマシンを大幅に改善してきた。その中で、ラインアップをローテーションする必要性があると判断した」「2026年はチームにとって非常に重要なシーズンになるため、今年のうちにドライバーの評価を完了することが不可欠である。ドゥーハンは非常にプロフェッショナルに役割を果たしてきたし、今回の5戦は異なるアプローチを試す機会になる。この期間を経て、今後の方針を決定する予定である」